アブストラクト: |
Sec6/8複合体は,Sec3, 5, 6 , 8, 10, 15, Exo70,84から構成される八量体のタンパク質複合体である.開口放出の際に,小胞が原形質膜と融合する部位を制御することによって,細胞の極性の形成に関与している.具体的には,小胞膜と原形質膜との融合が実際に始まる前の段階で,小胞と原形質膜とを緩く繋ぎ留める(tethering)働きを担っていると考えられている.Sec6/8複合体は,Sec5サブユニットを介して,smallGタンパク質のRalとGTP依存的に相互作用する.Ralとの相互作用は,上皮細胞における上皮成長因子受容体の輸送、および繊維芽細胞でのfilopodiaの形成に関係することが報告されている.2.1Å分解能で決定したRalAとSec5のRal結合ドメインとの複合体の結晶構造と,その構造に基づいて行ったIsothermal titration calorimetryを使った相互作用の解析の結果を発表する.
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