日時: |
2005-03-11 15:40 - 16:40 |
場所: |
4号館2階輪講室1 |
会議名: |
放射光セミナー「オン・サイト有効クーロン相互作用の第一原理計算: 3d遷移金属への適用」 |
講演者: |
中村 和磨 氏 (学振特別研究員、東大理・物理、常行研) |
講演言語: |
日本語 |
URL: |
http://pfwww.kek.jp/pf-seminar/ |
アブストラクト: |
遍歴電子系及び強相関電子系の物性理解において、最も重要なパラメータである局在電子のオン・サイト有効クーロン相互作用Uを第一原理的に評価するための方法論開発を行った。これまで、Uの評価は実験や現象論的模型に基づいて経験的になされてきたが、本研究は密度汎関数法の枠内でこの値を非経験的に求めようというものであり、XPSやAuger等の実験と模型の間の溝を埋めようと試みるものである。本手法では、実験では得られにくいU値に影響する微視的因子を個別に抽出することが可能なので、これまで定性的にしか理解されてこなかったUのメカニズムを詳細に検討できる。更に、この方法論は原則的に全ての物質(遷移金属酸化物、有機分子性導体)に適用可能であり、パラメータとして現れる物質の個性を忠実、かつ系統的に考察することができる。
本講演では、開発された手法を3d遷移金属 (Sc_Cu)のオン・サイト有効クーロン相互作用の評価に適用した場合の結果について報告したい。 |