放射光セミナー

日時: 2005-03-30 13:30 - 14:30
場所: PF研究棟2F会議室
会議名: 放射光セミナー「薄膜磁性の時空間分解」
講演者: 雨宮健太氏  (東京大学大学院理学系研究科)
講演言語: 日本語
URL: http://pfwww.kek.jp/pf-seminar/
アブストラクト: 薄膜磁性の時間変化および空間分布に関する最近の研究例を紹介し,挿入光源 の利用による発展への期待を述べる。例えば,エネルギー分散型表面XAFS法(数10 eVにわたるXAFSスペクトルを一度に得られる)を円偏光と組み合わせることによって ,分子・原子の吸着による磁気異方性の時間変化を追跡したところ,面内磁化から面 直磁化への転移過程において特異な磁気状態が示唆されたが,一度の吸着過程に対し てひとつの円偏光でしか測定出来ないために詳しい情報が得られない。一方,空間分 布に関しては,光電子顕微鏡等の発展によって面内方向の情報が,そして最近我々が 開発した深さ分解XMCD法によって深さ方向の分布がわかるようになってきたが,前者 は深さ方向に,後者は面内方向に平均化されており,それによって貴重な情報が失わ れている。これらの問題を解決するためには円偏光スイッチングや入射X線のマイク ロビーム化が有効と考えられ,より高度な時空間分解分析への発展が期待される。

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