日時: |
2009-08-17 15:00 - 16:30 |
場所: |
日本原子力研究開発機構 先端基礎研究交流棟第1会議室 |
会議名: |
第25回つくば不安定核セミナー |
連絡先: |
029-284-4867/hiroari.miyatake kek.jp |
講演者: |
岩田順敬 (GSI Helmholtz Center) |
講演言語: |
日本語 |
アブストラクト: |
重イオン衝突において荷電平衡が達成されるためには十分な衝突時間が確保される必要があり、
そのゆえに荷電平衡化が起こるための上限衝突エネルギーが存在する。本発表ではこの上限エネル
ギーを中心にしたエネルギー領域(衝突エネルギー=数MeV/A のエネルギー領域)に特徴的な物理
を3 次元時間依存平均場理論(3 次元TDHF)による系統的な結果をもとに議論する。 まず、近年
我々のグループが提案した荷電平衡化に対するエネルギー上限公式を紹介する。これにより荷電平
衡化メカニズムが定量的に明かにされる。荷電平衡化は大きなN/Z 非対称性物質の生成を抑制する
働きがあるため、高N/Z 非対称性物質を人工的に合成しようとする際にこの上限公式は有用である。
次に、複合核構造が衝突する原子核の質量に応じて異なった様相を呈することを示す。このような複
合核構造の違いが最終的な生成物の生成に影響することを示した計算事例を報告する。最後に、現在
進行中の当該エネルギー領域での核子移行の完全分類に関する結果を紹介する。 |