物理セミナー

日時: 2010-01-29 13:00 - 15:00
場所:
会議名: 第26回つくば不安定核セミナー、「核モーメント測定を通じた中性子過剰核の核構造研究」
連絡先: 029-284-4867
講演者: 上野 秀樹  (理研仁科センター、偏極RIBチーム)
講演言語: 日本語
URL: http://triac.kek.jp
アブストラクト: 中性子魔法数N=20の閉殻異常性に代表される殻構造の変化は、遠不安定核の領域で重要な研究テーマの一つに挙げられる。これらはRIビームを用いた質量測定・γ線スペクトロスコピー・核子移行反応などの実験的研究を通じて精力的に行われているが、近年、これらの核を対象とした核モーメント測定が行われるようになってきている。アルカリ(土類)元素についてはレーザーを用いる手法が適用可能であるため、N=20の近傍ではNaやMg同位体の核モーメントがCERN研究所ISOLDE施設で測定されており、閉殻異常の研究に大きく貢献している。これに対して、近年開発された核破砕反応を利用する方法では原子物理的・化学的制約を受けないという特徴があり、核図表でN=20 領域の「逆転の島」の北側の境界付近に位置する中性子過剰Al同位体を対象とする系統的な核モーメント測定に成功している。最近得られた33Alの核電気四重極モーメントを含め、これまで得られた結果を紹介するとともに、今後の測定計画についても議論する。

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