日時: |
2009-07-22 14:00 - 15:30 |
場所: |
4号館345室 |
会議名: |
BCS-BEC Crossover: A Unified Description of Fermi and Bose Superfluid Phenomena |
連絡先: |
板倉、kazunori.itakura AT kek.jp |
講演者: |
大橋 洋士 (慶應義塾大学 理工学部 物理学科) |
講演言語: |
日本語 |
アブストラクト: |
2004年にフェルミ原子気体(カリウム40、リチウム6)で 実現された超流動では、フェッシュバッハ共鳴と呼ばれる機構を用いる ことにより、フェルミ粒子間にはたらく引力相互作用を自在に制御することができる。 このユニークな特徴を活かして達成されたのがBCS-BECクロスオーバーであり、 そこでは、引力相互作用が強くなるにつれ、超流動の性質が金属超伝導で 議論されてきたBCS状態的なものから、転移温度以上で形成された 分子ボソンのBose-Einstein凝縮(BEC)へと連続的に移行する現象が起こっている。 これにより、従来別々に研究されてきた金属超伝導に代表されるFermi粒子系 超流動と、液体ヘリウム4や極低温Boseガス等のBose粒子系超流動を統一的に 扱うことが可能となった。更に、従来の超流動系では調べることができなかった 両者の中間領域も現実問題として活発に議論されるようになった。 本講演では、この発展著しいBCS-BECクロスオーバーについて、基本概念の 説明から出発、理論的枠組みや得られる超流動状態の特徴(1粒子励起や 集団励起)、超流動転移温度以上のクロスオーバー領域に見られる強結合効果 (擬ギャップ現象)等について我々の最近の研究と併せて説明する。 加えて未解決の問題や今後の展望についても触れる予定である。 |