理論セミナー

日時: 2004-07-26 15:00 -
場所: 研究本館3階321号室
会議名: 1次元量子力学系における特異点と超対称性
連絡先: 丹後 敦子
講演者: 長澤 智明氏  (神戸大学大学院 自然科学研究科)
講演言語: 日本語
アブストラクト: 1次元量子力学系における特異点は波動関数およびその微分の 間の接続条件として群U(2)のパラメタで特徴づけられ、非常に単純な 系にもかかわらず、数々の物理的に重要な概念(双対性、Berry位相、anomaly,...)が現れることが知られている。今回の講演では、円周上に特異点がある系における超対称性について詳しく議論したい。 S^1上に2^n個等間隔に特異点がある系では、N=2n+1超対称性のあるモデルを構築することができる。その際、重要な役割を果たすのは、S^1上での不連続変換であり、それを用いるとN=2n+1超対称性代数を満たす超電荷を構成することが出来る。しかしながら、このことは理論にN=2n+1超対称性が存在することを保証しない。というのは、この理論は不連続変換に伴って必然的に特異点を含み、特異点上で波動関数の接続条件をうまく選ばないと超電荷がエルミートで物理的な演算子とならないからである。講演では、不連続変換を導入し、その不連続変換を使って超電荷を構成してみせ、超電荷が物理的演算子となりうる特異点のクラスを明らかにする。 さらに、場の理論への応用として、余剰次元がS^1/Z_2にオービフォールド化されている5次元空間でのゲージ理論を考える。大統一理論(GUT)には、GUTスケールとweakスケールの階層性をいかに説明するかという問題が現れる。それを、オービフォールド上の固定点での境界条件をうまく選ぶことで解決した論文(hep-ph/0406024)についても紹介するつもりである。なお、これらは坂本眞人氏(神戸大・理)との共同研究に基づくものである。

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