理論セミナー

日時: 2004-07-01 13:30 -
場所: 研究本館3階321号室
会議名: Study of Proton- and Neutron-Rich nuclei with a New Cluster-Orbital Shell-Model
連絡先: 丹後
講演者: 升井 洋志氏  (理化学研究所 基礎科学特別研究員)
講演言語: 日本語
アブストラクト: 近年の実験技術の向上に伴い、陽子ならびに中性子過剰核の研究が急速に進められてきている。このドリップライン近傍の核の性質として、ハロー構造と呼ば れるコアの周りに薄く広がった中性子(ないしは陽子)分布を持つという構造があげられる。軽い中性子過剰核の代表例として6He、11Li、11Beな どがあるが、これらの核のハロー構造の記述においては、あるコア核のまわりに緩く束縛された1、2個の中性子という描像がよく成り立っている。これは、 最外殻中性子の束縛エネルギーが十分に小さいことに関係が深い。しかし、O(酸素)同位体のドリップライン近傍においては、23O、24Oの束縛エネル ギーは比較的大きく、ゆるい束縛エネルギーにより1つないしは2つの中性子がコアの周りに広がって分布しているという構造でない可能性が実験の解析から も示唆されている。そこで我々は、「多くの価核子が関与するハロー構造」を記述する枠組みを構築すべく、16OをコアとしたCluster- Orbital Shell-Modelを系全体のダイナミクスを取り扱えるように拡張し、この研究を進めてきた。セミナーでは、計算のモデルと方法、中性子および陽子 過剰核についての計算結果、Gamow Shell-model等他の方法との比較等について、発表を行う予定。

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