日時: |
2010-02-25 16:00 - |
場所: |
研究本館3階322室 |
会議名: |
Path integral on graphs |
連絡先: |
佐々木、tsasaki AT post.kek.jp |
講演者: |
大谷 聡 (神戸大学大学院理学研究科) |
講演言語: |
日本語 |
アブストラクト: |
近年の電子線リソグラフィなど微細加工技術の発展により、円周や8の字などのグラフ上の1次元量子力学系が今や実現可能なものとなっており、現在盛んに研 究されています。これらグラフ上の量子論は主にナノメートルオーダーのメゾスコピック系を念頭に置いたものですが、グラフ上の1次元量子力学系はより高エネルギーの素粒子物理を記述する場の量子論に対しても有効です。
第1量子化した弦理論において散乱振幅が様々なトポロジーを持った2次元world-sheet上の1+1次元場の理論の経路積分で表されるように、第1 量子化した場の量子論では散乱振幅は様々なトポロジーを持った1次元world-line上の0+1次元場の理論すなわち量子力学の経路積分で表されます。この場の量子論の第1量子化(world-line formalism)は場の量子論の有効作用や散乱振幅を計算する上でFeynman ruleに基づいた摂動論よりも(少なくとも1ループレベルでは)簡便な計算手法を提供してくれます。
今回の講演ではグラフ上で定義された量子力学の経路積分による定式化についてお話しします。また、応用として余剰次元のある場の量子論における散乱振幅計算についても言及したいと思います。 |
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