理論セミナー

日時: 2012-06-25 16:00 - 17:00
場所: 研究本館 3階 セミナー室322
会議名: 連続的な観測を受ける量子系の数学的研究
連絡先: 森田 辰也、moritat-AT-post.kek.jp
講演者: 布田 徹 氏  (北海道大学)
講演言語: 日本語
URL: http://theory-center.kek.jp/theory/archives/s_c/seminar
アブストラクト: 量子系に対する観測により, 量子系の状態は非因果的に変化する. では, その観測を連続的に行った場合, 量子系はどのような挙動をみせるだろうか? 1977年にB.MisraとE.C.G.Sudarshanはこのような問いを立て, それに対して直感とは相容れない結果を得た. 彼らの得た結果は, 端的に言って, 「量子系を連続的に観測するとその状態が凍結される」という奇妙ものであった. この効果は, 「飛んでいる矢は止まっている」と主張する有名なゼノンのパラドックスとの類似から, 量子ゼノン効果と呼ばれる. 本発表では, 量子ゼノン効果の数学的な取り扱いについて示し, そのいくつかの新たな側面を紹介する. 特に, 連続的な観測によって, 状態ベクトルを状態空間上の曲線に乗せて移動させることが出来ることを詳しくみていく. これは量子ゼノン効果のある種の一般化にもなっている. なお, 本発表の内容は新井朝雄教授(北海道大学)との共同研究に基づく.

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