KEKの放射光リングから発生する強力な放射光は生命科学、物質科学の謎を原子構造、電子状態の立場から浮き彫りにしてきました。例えば、筋肉の収縮や生命現象の鍵をつかさどるタンパク質の反応と原子レベルの構造との関係や、ハードディスクの大容量化の鍵を握る巨大磁気抵抗現象の電子状態での解明などです。KEKでは更にエネルギー回収型加速器という新しい加速器を開発し、そこから発生する極短パルス・空間干渉性を持った放射光による新たな挑戦を計画しています。講演では、この挑戦によって拓かれる新しい世界を紹介します。