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高エネルギー加速器研究機構（KEK）

2011年5月13日
高エネルギー加速器研究機構

つくば市で観測された空気中の放射性物質の種類と濃度の測定結果について（８）

つくば市にある高エネルギー加速器研究機構は国立環境研究所と、つくば市における空気中濃度の測定を実施しています。今回は4月21日から5月9日にかけて行った第26回から第34回の測定結果を報告します。それ以前の測定結果については第7報をご覧ください。

採取条件

  1. 採取場所：国立環境研究所敷地内
  2. ハイボリュウムエアサンプラー：毎分600 m3 ℓ で2日間連続吸引した。
  3. 使用ろ紙：石英繊維ろ紙（1枚）および活性炭ろ紙（2枚）の2段組で捕集

ろ紙の測定は、高エネルギー加速器研究機構設置の高分解能Ge 検出器を用いた。

表1から表３に測定結果を示す。5月１〜3日（第31回）は黄砂による粉塵の量が非常に多かったが、放射性物質の濃度は低かった。一方、降雨があった5月3〜5日（第32回）では濃度の若干の増加が見られた。以上のことから、地表面に沈積しているCs-137、Cs-134の空気中への舞い上がりは顕著にはあらわれていないといえる。また、5月7〜9日（第34回）はこれまでで最も濃度が低かった。

高エネルギー加速器研究機構は引き続き測定を継続し、正確なデータの公表に努めていきます。

第１表　第26回から第29回の採取試料の検出核種及び濃度

第26回第27回第28回第29回
採取期間4/21 13:45 〜 4/23 11:284/23 11:37 〜 4/25 11:054/25 11:13 〜 4/27 11:134/27 11:45 〜 4/29 10:51
採取量1,647 m31,708 m31,728 m31,660 m3
核種濃度（Bq/cm3※1）濃度（Bq/cm3）濃度（Bq/cm3）濃度（Bq/cm3）
I-1313.2×10-85.5×10-92.3×10-98.3×10-10
Te-132検出せず検出せず検出せず検出せず
Cs-1343.6×10-83.6×10-99.5×10-108.8×10-10
Cs-1366.6×10-10検出せず検出せず検出せず
Cs-1373.4×10-83.4×10-97.0×10-107.8×10-10
Te-129m検出せず検出せず検出せず検出せず

第２表　第30回から第33回の採取試料の検出核種及び濃度

第30回第31回第32回第33回
採取期間4/29 10:58 〜 5/1 10:585/1 11:03 〜 5/3 11:035/3 11:43 〜 5/5 11:415/5 11:48 〜 5/7 11:48
採取量1,728 m31,728 m31,726 m31,728 m3
核種濃度（Bq/cm3※1）濃度（Bq/cm3）濃度（Bq/cm3）濃度（Bq/cm3）
I-1311.7×10-98.6×10-101.2×10-84.7×10-9
Te-132検出せず検出せず検出せず検出せず
Cs-1342.1×10-98.4×10-102.6×10-86.5×10-9
Cs-136検出せず検出せず2.9×10-10検出せず
Cs-1372.1×10-97.7×10-102.6×10-86.3×10-9
Te-129m検出せず検出せず検出せず検出せず

第３表　第34回の採取試料の検出核種及び濃度（Bq/cm3※1）

第34回
採取期間5/7 12:39 〜 5/9 11:43
採取量1,694 m3
核種濃度（Bq/cm3※1）
I-1314.1×10-10
Te-132検出せず
Cs-134検出せず
Cs-136検出せず
Cs-137検出せず
Te-129m検出せず

3月28日以降の空気中濃度の経時変化を棒グラフで示すと以下のようになる。縦軸は濃度（Bq/cm3※1）である。

graph



※1 １Bq/cm3（1立方cmあたり１ベクレル）：１ベクレルは１秒間に1回の割合で放射性崩壊がおこることを意味する。



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