●2日目の加速器体感ツアーのコースです。4つのコースのうち1つを選択します。
LINAC（線形加速器）見学
LINAC（線形加速器）見学
LINACでは電子と陽電子のビームを作り直線的に加速してKEKBやフォトンファクトリーの蓄積型円形加速器に入射します。LINACの全長は約600mmで、電子銃、加速管、電磁石、真空導波管、クライストロンと様々な機器で構成されています。今回のツアーでは、クライストロンが約60台も並ぶギャラリーを歩いたり、トンネル内にたくさん並んでいる加速器の主要な構成機器を見学します。
科学おもちゃでビーム光学と電磁石の基礎を学ぼう
凸レンズは、入射した平行光束を収束させる働きを持ちます。加速器でこの凸レンズに似た働きをするのが電磁石です。加速器内の電子ビームは、電磁石で適切に収束発散を繰り返して真空パイプの中を輸送されます。今回のツアーでは、凸レンズにレーザーを当てて光の軌道を見たり、加速器で使用される電磁石のミニチュアを使って磁場測定をします。
PF（フォトンファクトリー）見学
「光の工場」という意味のフォトンファクトリーは、さまざまな物質や生命の姿を、原子・分子のレベルで見るための光「放射光」を作り出す加速器です。
フォトンファクトリーで主に使われているのは、人間の目で捉えられる光「可視光線」より波長が短い（エネルギーが高い）真空紫外線、軟X線、X線と呼ばれる波長（エネルギー）域の光です。原子の大きさ程度の波長を持つ光、物質の内部の電子を外に飛び出させるのに十分なエネルギーを持つ光を使うことによって、分子や原子といった極微の世界を初めて観ることができます。
フォトンファクトリーではいろいろな分野の研究が行われていて、それぞれ特色のある装置が使われています。今回のツアーでは代表的な装置をいくつか見てみましょう。
SuperKEKB主リングトンネル内見学
地下11mにある周長3kmのトンネル内では今、2015年の実験開始にむけてSuperKEKBの建設が進行中です。SuperKEKBはKEKBのアップグレード版で電子と陽電子を衝突させ、自然には安定に存在しないＢ中間子・反Ｂ中間子の対を生成するための衝突型加速器です。
今回のツアーでは、このトンネル内の衝突点および、ビームを加速する装置の付近を歩いていただきます。めったに見られない、建設中の大型加速器を体感する絶好のチャンスです。お見逃しなく！
<富士実験棟、日光実験棟 高周波加速空洞>
高エネルギーの加速器では高周波(RF)を使って電子、陽電子、イオンなどを加速します。直流による加速では高いエネルギーを実現するためには大きな電位差(電圧)を発生させる必要があり、放電などの問題が起こるためにあまり高エネルギーのビームを作ることが出来ないためです。
KEKBでも合計32台の常伝導空洞(銅製)と8台の超伝導空洞(ニオブ製)を使って電子ビームや陽電子ビームの加速を行っていました。
SuperKEKBではビーム電流が増えるので、加速空洞もより大きなエネルギーをビームに与える必要があります。SuperKEKBでは1台の空洞がビームに与えるエネルギーを増やすと共に、加速空洞の数も増やして大電流ビームに対応します。
富士実験棟付近のトンネルで常伝導空洞を、日光実験棟付近で超伝導空洞を見ていただくことが出来ます。また、富士実験棟の地上部に設置されたRF発生装置や制御装置についても紹介します。
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