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清泉女学院の生徒2名、KEKで職場体験

2011年9月8日

8月29日(月)、清泉女学院の高校1年生2名がKEKにて職場体験を行いました。

最初にKEKコミュニケーションプラザを見学し、その後放射光科学研究施設フォトンファクトリー(PF)の加速器リングや実験ホールを見学し、KEKで行われている実験や研究について学びました。

午後からはPF実験ホールにて、BL-12Cのビームライン設置作業を体験しました。BL-12CはXAFS(X線吸収微細構造)用の実験ステーションで、この夏に、実験装置を格納する実験ハッチを拡張する改造を行ないました。それに伴い、光学系と呼ばれる、放射光から必要なエネルギーを取り出したり、光を集めたりする装置の再配置を行なっています。今回体験したのは、余分な光の成分をカットするための「高次光除去ミラー」の入った真空容器(ミラーチャンバー)の設置、および真空排気です。まず、ミラーチャンバーを測量しながら1mm以下の精度で設置しました。そしてミラーチャンバーとビームパイプを接続し、接続部分およびミラーチャンバーの蓋を、真空が漏れないように正しい手順でボルトを締めていきました。最後にパイプ内を真空にするためのポンプを使って、空気を排気しました。30分ほど排気してから真空度を見て、真空漏れがなく正しく接続されていることを確認しました。また、真空ポンプを作動したことによる装置の振動測定も体験しました。

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ミラーチャンバーのボルトを締めている様子

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全てを設置後、真空ポンプを接続する様子

参加した生徒は「こんなにたくさんのネジを回したのは初めてです。すごく楽しかったです。」と感想を述べていました。
実習の指導を担当した仁谷浩明助教(KEK物構研)は「とても積極的に取り組んでくれました。設置してくれた装置たちは全てこのまま実験に使用できるくらい素晴らしい出来です。」と語っていました。このビームラインは夏期シャットダウン明けの秋には、国内外の研究者たちに使用される予定です。

※ 職場体験とは
職場体験は、文部科学省の推進のもと行われている学習活動です。生徒が直接働く人と接することで、学ぶことや働くことの意義や生きることの尊さを実感し、生徒が主体的に進路を選択決定する態度や意志、意欲などを培うことを目指しています。