理系女子キャンプ

QandA

理系女子キャンプ開催時に参加者より質問事項を挙げてもらい、講師等が回答をしております。
当日に、いただきましたすべての質問にお答え出来るわけではありません。
以下には、2015年開催時のQ&Aの一部を掲載しております。

先生方に質問

全て展開する | 全て折りたたむ
周期表を見たりするのが大好きですが、物理と化学のどちらに進めばよいですか?
A1. 周期律表をみたり」というのは科学や物質全般に興味があることだと思うので、あまり早くに物理・化学などと分野を狭める必要はありません。興味の湧くことをまず手当たり次第に、かじってみるのが良いと思います。大学にもよりますが、理学系であれば専攻を本当に決めていくのは3年次以降です。
A2. 最終的に自分がしてみたいと思うことに合った学科・研究室・指導教員の先生を選ぶことができればそれでいいわけですから、周期表に関係して、世の中でまだ誰も知らないことで、それがわかるために自分がしてみたいと思うことが何かがはっきり意識されてくるまで多少の時間をかけるのは問題ないと思います。
私の専門分野は物理ということになっていますが、クォークがハドロンをつくるときのルールは原子中の電子がs軌道に入ったりp軌道に入ったりするのとよく似たものになっているので、化学の知識も役に立っています。そういうことがわかるにはある程度時間がかかるので、質問いただいた文言を見る限り、今の時点で物理か化学かを決めてしまえばハッピーになれるかというと、そうでもないかなあ、と思うわけです。
現場に活きているという実感がある時は研究していてありますか?
A1. 実験系であれば、現場に生きている実感は強すぎるくらいです。
質問の意味が社会の現場に役立っている実感をさしているとすると、現在の宇宙のありようのすべて(例えば人類が地球に誕生し、社会がつくられ、自分やその家族がこの瞬間に存在することも含め)が、その始まりから素粒子などの自然の基本法則によってもたらされてきたと考えるとき、研究が実は日常に直接リンクしていると実感します。
A2. 研究のテーマ選びや進め方は、その人の性格・好みや経験が色濃くでます。
それである先生は「研究というものはその研究者の全人格でやるものだ」とおっしゃったとのことで、全く同感です。どんな場面も現場なのですね。実験室に入って検出器や電子回路を動かしているときや、データの解析プログラムを書いているときは誰が見ても研究の現場にいるときでしょう。
しかし大学での授業や、高校生一般向けの公開講座での講演準備や本番のように教育に時間を割いているときも、聞いて面白そうだと思ってくれたことがきっかけで将来共同研究者になる人が出てくる可能性がゼロではないことをしていると思うと、一見間接的ですが、そういうのも現場だということだなあ、と思います。
研究者になって、自分のしたい研究をできる人はほんの一握りだと聞いたことがあるのですが、研究者になるときに苦労したことは何ですか。
A1. 大学院の入学試験。幸運にも私は職を得るまでの浪人時代がそれほど長くなかったですが、一般に定職に着くまでに時間がかかることがあり、それが一番の苦労です。
A2. 私の場合も、幸運なことに常勤のポジションに早くに就職できましたが、それに時間がかかるときがあるのは皆さん気になるところだと思います。とはいえ、加速器を使った素粒子実験や、検出器を積んだ衛星をロケットで打ち上げる宇宙観測の分野は、一人二人の天才によって進むのではなく、100人(場合によっては1000人)のプロが結集して努力することによって成果を出すわけですから、その100人のうちに入れてもらえるところまで自分の力を高められればいいわけです。能力の発揮のしかたは様々で、かつ皆が一目おく働きぶりを発揮した人は周囲が放っておかないですから、不必要に悲観的な考えを持つと気持ちが萎えて本当にできなくなってしまうこともありますし、うまくいかなかったときの次善の策を考慮した上で楽観的に進むというのがよいだろうと思います。
研究するときに大切にしていること、または、気を付けていることは何ですか。
A1. 納得できないことは、ほっておかない。しかしこれを研究以外に持ち込むと不幸な結末が待っていることが多いので注意が必要です。
A2. 自然の法則つまり万物に対して共通に成り立つルールを研究しているわけですから、「真実に対する誠実さ」が絶対譲れないよりどころになります。研究は「ウソをつかない」「約束を守る」という当たり前なことの積み重ねです。とはいえ人間がやることなので「うっかり忘れた」「計画に遅れを出してしまった」ということも起きます。その際にはすぐに次善の策を提案するなど「解決するまであきらめない」姿勢を崩さないように自分では気をつけています。とは言え、周囲から見たら「そんなに感心するようなことは全然できてないぜ」というのが現実かも知れませんね。
人工放射線と自然放射線が人体にもたらす影響の違いはありますか?
A. 人工も自然も 放射線は放射線(α、β、γ線)に変わりないので、同じエネルギーの同じ線質の放射線であれば影響の違いはありません。人工vs.自然 というよりもα、β、γ線の違いや、化学的性質/代謝による影響の違いの方が大きいです。
化学的性質/代謝による影響:ストロンチウムはカルシウムと性質が似ているので、骨に取り込まれてなかなか排出されません。しかし、トリチウム(水素の仲間)は水の代謝に乗り汗や尿で割と早く体から排出されます。
女性がリーダー職につくことは珍しかったということでしたが、なぜ、組織のリーダーをつとめることができたと思いますか。(なぜリーダーに認められたと思いますか。)
A. I often ask myself this question, and I don't think that I know the answer. One thing I know: I am good at organizing people's work, events, etc, and also at taking decisions in a short time, after good consultation. Also I am a consistent leader, I usually have a strategy and follow it. But I don't know how the people who offered me my first opportunities as a leader could know that.
← トップページへページ上へ ↑