加速器研究施設
加速器は高エネルギー加速器研究機構(KEK)で行われている科学研究の基盤です。
KEKで行う全ての研究活動における基本的な道具である加速器の開発研究、運転、維持を行なうのが加速器研究施設です。現在KEK には、その加速する粒子で分類すると陽子及び電子、また加速器の形態で分類すると線形加速器と円形加速器があり、いずれも世界最高クラスの性能を誇っています。
加速器研究施設には10台以上の特色のある大小様々な加速器があります。加速器は電磁気学を基礎とした様々な技術により成り立っており、幾つものグループが密接に繋がり、協力しながら成長をさせている大型の装置です。教員・研究者等が約180名、技術職員が約70名が各研究系・グループに所属し、加速器の運転維持とビーム性能の向上に務めています。
各研究系
加速器第1・2研究系(J-PARC)
J-PARCの加速器は陽子を加速する世界最高クラスの装置です。全長300mの直線加速器(LINAC)、周長300m(RCS)と周長1600m(MR)のお結び型のリングの3台の加速器から構成されています。
加速器第3・4研究系(KEKB)
KEKBはノーベル賞受賞の小林・益川理論を実験的に証明する等多くの成果を上げました。KEKB加速器は周長3kmのHER、LERの2つの円形加速器から成る衝突型加速器です。アップグレードが完了し、SuperKEKBとして40倍のルミノシティを目指して運転を開始しました。
加速器第5研究系(LINAC)
LINACでは電子及び陽電子ビームを生成し、HER、LER、PF、PF-ARの4つの円形加速器にビームを供給する全長600mの直線形加速器です
加速器第6研究系(STF/ATF)
次世代・直線衝突型加速器の実現に必要な技術、超高質電子ビームの生成・制御技術、超伝導加速システムの確立・製造方法などに関わる技術開発を行っています。
加速器第7研究系(PF/PF-AR)
KEKの放射光共同利用を担う、PFリング(2.5 GeV)とPF-AR(6.5 GeV)の2つの大型加速器の運転を行ってます。次世代の高輝度放射光源の技術開発も行っています。