平成13年度技術交流会
平成13年度技術部技術交流会開催及びプログラムの御案内
技術交流会委員:
安 芳次、小柳津 充広、田中 伸晃、山岡 広
技術交流会連絡員:
佐藤 吉博、豊田 晃弘、上田 明
「I/Oシステムの技術」をテーマに技術交流会を開催します。この交流会
ではI/Oシステムのハードウエア要素技術、そのソフトウエア要素技術、その
システム設計技術など広い範囲をカバーしています。
日時:2002年2月15日(金曜日) 10:00ー16:10
場所:4号館セミナーホール
プログラム
10:00 - 10:05
開会
三国技術部長の挨拶
午前の部 10:05 - 11:35
座長:渡辺研一(素核研)
10:05 - 11:05 VMEモジュールの制御
佐藤 節夫 (物構研)
11:05- 11:35 CompatPCIによるデータロギング
多田野 幹人 (物構研)
午後の部 13:30 - 16:10
座長:安 芳次(素核研)
13:30 - 14:30 リアルタイム Linux 上の「ユーザ空間デバイス・ドライバ」
小田切 淳一(加速器)
14:30 - 15:10 USBを用いたCAMACデータ収集
仲吉 一男 (素核研)
15:10 - 16:10 計測/制御用簡易メッセージ配信システム
小菅 隆 (物構研)
閉会
発表概要
- VMEモジュールの制御
中性子科学研究施設の実験のデータ処理はVMEモジュールで行なっている。
主なサポートはマッキントッシュだけであるが、Windowsや、PC linuxからも
使用できる。制御ソフトにはナショナルインスルメンツ社のLabVIEWを使用す
る。
制御プログラムを変更することなく、コンピュータ、入出力機器の変更が容易で
ある。
参考資料は下記のURLにあります。
発表の詳しい説明
発表のトランスペアレンシー
- CompatPCIによるデータロギング
産業用に規格化されているcompactPCIバスを使用した計測システム
について話します。
まず、compactPCIの概要を紹介し、その後で放射光研究施設に設置し
てあります光位置モニタシステムの一部で構築し仮計測している
compactPCIバスのシステムを簡単に紹介します。
参考資料は下記のURLにあります。
発表のトランスペアレンシー
- リアルタイム Linux 上の「ユーザ空間デバイス・ドライバ」
KEKB 制御システムは Experimental Phisics and Industrial Control
System
(EPICS)に基づいて構築されている。これまで、フロントエンドとなる計算機
上で実行される EPICS のソフトウェア(iocCore)は VxWorks リアルタイム OS
上で
のみ実行可能であったが、最新版である R3.14 からは、VxWorks 以外の幾つ
かの OS への対応が可能になった。その中でも Linux は、近年、組込み分野
への応用においても注目を集めており、 有望な選択枝である。
しかし、残念なことに Linux カーネルには制御用途に必要とされるリアル
タイム応答性がない。この問題を克服するため、Linux をリアルタイムに拡張す
るための数々の異なる手法が各研究機関、ソフトウェア・ベンダにより開発され
ている。
KEKB 制御グループでは、EPICS iocCore を、これらの リアルタイム Linux
へ
移植する可能性を検討してきた。iocCore は、全てのタスクをフラットな物理ア
ドレスで実行する VxWorks をベースに開発されたため、 その基本構造を変える
こと
なく移植するためには、デバイスとの I/O を含む、複数の処理を単一のメモリ
空間
で実行すること(スレッド)が必要である。さらに、このスレッドについては次
の2つの満たすべき要件がある。
- カーネル空間ではなくユーザ空間のスレッドであること
- スレッドの実行遅延時間が厳密に予測可能であること
1は iocCore とそのアプリケーションが、Linux カーネル内部に持ち込む
には
複雑すぎることによる。また、2は iocCore がハードウェア制御のフロント
エン
ドに位置することによる。これらを同時に満足する可能性を持つ Linux 拡張と
して、L4-Linux および LXRT を紹介する。また、それらを使って一台のPC 上で
閉じたEPICS 環境を構築する可能性について議論する。
参考資料は下記のURLにあります。
発表のトランスペアレンシー
- USBを用いたCAMACデータ収集
USB(Universal Serial Bus)を用いたCAMAC データ収集(DAQ)システム開発に
ついてソフトウエア開発を中心に発表する。現在オンライングループでは、シリ
アルバスを用いたDAQシステムを検討しており USB や IEEE1394 等の調査を行な
っている。その過程で CAMAC に USB を適用して CAMAC DAQ システムの構築を
行なった。
本発表では「開発の背景、目的」で現在オンライングループの検討している
シリアルバスを用いた次世代 DAQシステムについて述べる。次に「シリアルバス
の現状」について説明し、「USB の概要」について述べる。次に USB-SCSI 変換
ケーブルを使った「USB-(SCSI) CAMAC DAQ System」について説明する。続いて
現在開発中の「東陽 USB-CC/7700 アダプタ」について説明し最後に「まとめ」
をする。
以下「USB-(SCSI) CAMAC DAQ System」と「東陽 USB-CC/7700 アダプタ」に
ついて補足説明をする。前者は Kinetic SCSI CAMAC Crate Controller 3929 と
市販の USB-SCSI 変換ケーブルを用いたシステムであり、ハードウエアは既存の
ものを使用し、Linux のデバイスドライバを開発してシステムの構築を行なっ
た。またこのドライバ開発は技術部専門研修として行なった。後者は現在開発中
で、ハードウエアは東陽テクニカがソフトウエアは KEK で分担しており、4月の
製品化を目指して
いる。両者ともポータブルな CAMAC DAQ システムとして最適であり、CAMAC
モジュールのテストベンチや小規模なテスト実験等では非常に有用である。
参考資料は下記のURLにあります。
発表のトランスペラレンシー
- 計測/制御用簡易メッセージ配信システム
これまで比較的小規模な計測・制御システム向けにSTARS(Simple
Transmission
and Retrieval System)の開発を行ってきた。本システムはTCP/IPを利用し、
アプリケーションプログラム間の通信を簡単に行うためのシステムであり、
STARSの導入によりネットワークを利用した計測・制御システムの構築が容易に
行える。また、本システムの特徴としては
- 非常にシンプルである。
- Windows、Linuxをはじめ、様々なオペレーティングシステム上で利用可能。
- 様々な開発言語が使用できる事
等が挙げられる。
現在、STARSは放射光のビームラインインターロックシステム、BL-6A実験系
制御、放射光実験ホール入退室管理システムなどに導入され安定に動作してい
る。
本技術交流会ではSTARSの詳細及び開発の進行状況等について報告する。
参考資料は下記のURLにあります。
発表に関連した論文