2019年4月の活動報告 : クライオジェニックスグループ
2019年4月16日
クライオジェニックスグループが2019年4月の機構会議で活動報告を行いました。
クライオジェニックスグループは、Belle超伝導ソレノイド電磁石をはじめとする、粒子検出器で利用される極低温機器の開発や運転を行っています。マイナス272度以下の超低温冷却を必要とする超低速中性子源(UCN)やハイパー原子核を生成する液体水素ターゲット、液化アルゴン・キセノン検出器などの技術的な支援をしていますが、今回は、Belle IIバーテックス検出器を冷却する2相CO2冷却設備の整備とCOMET実験用超伝導磁石システムの建設に関して報告しています。
Belle II検出器の最深部にあるピクセル検出器(PXD)とシリコンストリップ検出器(SVD)を効率よく冷却する寒剤として二酸化炭素(CO2)が選択され、ドイツのMax Planc Institute for Physics (MPI)のグループによって開発されたCO2冷却設備(IBBelle)が筑波実験棟に設置されました。クライオジェニックスグループでは、このIBBelleの運転支援として、監視ツールの整備や異常時の体制を整えています。本格的な連続運転開始直後には、海外製の装置を日本で運転することもあって異常停止が頻発したものの、異常対策・保守を施すことで、1年以上経った現在は以前と比べると安定した運転が達成できています。
J-PARCでは、低温セクションに所属し、COMET実験開始に向けて、超伝導磁石システムの開発・建設を続けています。2018年度は、捕獲したミュオンを静止標的への輸送ラインに送り込む2個の超伝導コイルを巻き、液体ヘリウムを超伝導コイルに循環させるトランスファーチューブを設置しました。
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