2019年3月の活動報告 : エレクトロニクスシステムグループ
2019年3月25日
エレクトロニクスシステムグループが2019年3月の活動報告を行いました。
エレクトロニクスシステムグループは、素粒子原子核研究所のみならず加速器研究施設や物質構造科学研究所、放射線科学センター、超伝導低温工学センターといった機構内の様々な施設や他大学と一緒にデバイス開発やシステム開発などを行なっています。
新たな現象や非常に稀な現象を捉えることを目標とする世界最先端の研究において、測定器等の装置は世界に1つしか無いため既製品を購入することができません。エレクトロニクスグループでは、このような世界に1点だけの実験装置のセンサーからシステムに至るまでを各実験グループと連携して作成しています。
素核研関連の最近の取り組みとしては、例えば、ATLAS実験で用いる新たなATLASシンギャップチェンバー(TGC)検出器用の集積回路を開発しています。ATLAS実験が行われているCERNの大型ハドロン衝突型加速器LHCは現在アップグレード作業が行われており、新たなATLAS TGC検出器用集積回路もLHCのアップグレードに向けて準備しています。試作機の動作確認等は終了しており、今後は量産に向けた製造を開始する予定です。他にも、Belle II実験における中央飛跡検出器CDCやARICH検出器等のエレクトロニクスはインストールが完了し、現在は無事稼働中です。また、ニュートリノグループの実験に用いる極限環境下で動作するトランジスタ製作も現状は問題なく進んでおり、来年度さらに耐性強化施したものの特性評価を開始する予定です。J-PARCでの実験に使用するための集積回路や検出器の開発等に関しても現在進行中です。
エレクトロニクスシステムグループではデバイスやシステムの開発に加え、若手を育成し先端技術の専門家を増やすことを目的とした”Opne-It”というネットワークを立ち上げました。Open-Itは高エネルギー加速器研究機構や京都大学、東京大学宇宙線研究所、名古屋大学、東北大学といった全国の様々な大学・研究機関が共同で運営しています。Open-Itでは、「教育」と「連携」をキーワードに掲げ、教育プログラム、連携開発プログラム、交流プログラムの3つを中心に活動しています。
詳しくはこちらをどうぞ。