BELLE 測定器の宇宙線による最終調整始まる


 Bファクトリー計画の電子陽電子ビーム加速器(KEKB)および測定装置(BELLE)は、1999年4月の実験開始に向かって、それぞれ最終調整の段階にはいっている。実験測定器BELLEでは、12月18日にすべての検出器の組み込みが終了し3年にわたる測定器の建設が完了した。その後 各検出器のテストを経て、いよいよ1月18日からは、超伝導ソレノイド(円筒型電磁石)を起動し 1万5千ガウスの磁場をかけ、フル稼動の状態で オンライン計算機による宇宙線(荷電粒子)のデータ収集を開始した。既に、百万以上の宇宙線の測定データを収集し、これらは測定器の校正に使用される。

 
写真 98/12/5 写真 99/1/21

 写真は、組み立て中(12/5)および完成した現在(1/21)のBELLE測定器である。組み立て中は、内部の複雑な測定器やケーブル配線が見られるが、現在のフル稼動の状態では 両端の鉄ヨークが閉めらていて 内部の測定器を見ることはできない。

 また、下の図は、BELLE測定器で観測した宇宙線の飛跡のデータをコンピュータで解析・処理した画像である。左図は、測定器全体を示し、宇宙線が外側から6種類のすべての測定器(ミュオン検出器、CsI カロリメータ、飛行時間測定カウンター、エアロゲルカウンター、中央飛跡検出器、シリコン検出器)に信号を残して突き抜け、磁場により曲げられているのが示されている。右図は、測定器の最内側にあるシリコン検出器(SVD)の部分の拡大図である。外側の中央飛跡検出器(CDC)の飛跡の信号と繋がったSVD の信号が見られる。SVD により、数十ミクロンの精度で 飛跡の位置を測定することが期待される。

    

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www-admin@kek.jp Jan 26, 1999