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last update:10/03/04 
  プレス・リリース 〜 10-03 〜 For immediate release:2010年3月4日
 
 
2009年ノーベル化学賞受賞者 アダ・ヨナット教授に
特別栄誉教授の称号授与を決定

 
 
高エネルギー加速器研究機構は、3月4日、昨年ノーベル化学賞を受賞したイスラエル・ワイツマン研究所のアダ・ヨナット(Ada Yonath)教授に、特別栄誉教授の称号を授与することを決定しました。
 
本機構の特別栄誉教授は、機構に対する著しい学術の貢献があった者に対し、その功績を顕彰するもので、本機構が特別栄誉教授の称号を授与するのは、2008年にノーベル物理学賞を受賞した小林誠特別栄誉教授に続いて二人目となります。
 
【授与理由】
アダ・ヨナット教授は、タンパク質を合成する巨大な分子装置であるリボソームの構造決定とそれに基づく機能の解明により、ベンカトラマン・ラマクリシュナン博士(英国:MRC分子生物学研究所)、トーマス・スタイツ博士(米国:エール大学)とともに2009年にノーベル化学賞を受賞されました。
 
細胞における生産工場とも言えるリボソームが、どのような形をしていてどのように働くかを知ることは永年生命科学の大命題でしたが、ヨナット教授らは放射光を用いたX線結晶構造解析で見事にその立体構造を決定し、どのように働くかについての大きな知見を人類に与えました。
 
ヨナット教授は、1987 年に本機構の放射光科学研究施設(PF:フォトン・ファクトリー)に開設された世界初の巨大分子用X線結晶構造解析ステーションの最初の共同利用研究者の一人として、約10年間にわたり研究を行われました。その後、放射光科学研究施設の最も活動的な共同利用研究者として巨大で非常に測定が困難であるリボソームの測定を繰り返し行い、その後の測定データの向上等も図られ、最終的なリボソームの構造解析に繋がりました。
 
共同利用研究者の本機構での研究成果がノーベル賞の受賞の礎となったことは、日本及び本機構の研究レベルの高さと国際協力体制の高さを改めて世界に知らしめることとなりました。
 
また、ヨナット教授は極低温で生体分子結晶の測定をする分野のパイオニアでもあり、その検討の多くは本機構でもなされているものです。その測定方法はその後多くの改良を経て、本機構の放射光科学研究施設はもちろん、世界中の放射光施設や実験室で使われています。
 
【授与式】
本年3月9日、つくば市内で開催予定の本機構主催のPFシンポジウムにおいて行われる予定。
 
 
【関連記事】 KEKフォトンファクトリーと2009年ノーベル化学賞
【本件に関する問い合わせ】 高エネルギー加速器研究機構
  広報室長
   森 田 洋 平
    TEL:029-879-6047
 
 

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