プレス・リリース

KEKコミュニケーションプラザ再開と新展示のお知らせ

2011年4月22日
高エネルギー加速器研究機構

高エネルギー加速器研究機構(略称:KEK、機構長:鈴木厚人)は、平成23年3月11日に発生した東北太平洋沖地震の影響により休館していた常設展示ホール「KEKコミュニケーションプラザ」を5月1日(日)より再開いたします。

また、今年度からの新たな展示物として制作を進めていた「加速器がとらえた生命のしくみ」、「電子ビームを曲げてみよう」の2点が完成し、同日より展示を開始いたします。

KEKでは世界をリードする加速器研究の拠点として、加速器技術の原理やサイエンスを体験しながら学ぶ場としてKEKコミュニケーションプラザを開設しています。今後も展示の充実を図りながら子どもたちの科学や研究への夢を育んでいきたいと考えています。

<お問い合わせ>

高エネルギー加速器研究機構 広報室長 森田洋平
Tel:029-879-6047 Fax:029-879-6049 E-mail:press@kek.jp

<KEKコミュニケーションプラザについて>

KEKコミュニケーションプラザでは、加速器が動く仕組みや素粒子について学んだり、宇宙から降り注いでいる宇宙線を観察したり、タンパク質の立体構造を目で見たり、身近なものに含まれている放射線を自分で測ることができます。昨年4月にはクォークの世界を体験できる展示「ワンダークォーク」を新たに加え、リニューアルオープンしました。今回はリニューアル後初めての新展示物追加となります。

入場料無料
開館時間9:30~16:30
休館日年末年始・夏期休業期間

<新展示概要>

① 加速器がとらえた生命のしくみ -アダ・ヨナット博士とリボソーム研究―

2009年にノーベル化学賞を受賞されたアダ・ヨナット博士がKEKのフォトンファクトリーからスタートさせたリボソーム※1の研究を紹介。展示物のユニークな形状は研究の原点ともなった大型ワイセンベルクカメラ※2をモチーフにしています。


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② 電子ビームを曲げてみよう

クルックス管※3という装置の中で、電子ビームを磁石や電気の力によって曲げることができる体験展示。加速器の原理を楽しく学べます。

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<用語解説>

※1 リボソーム
DNAに書かれている設計図を元に、メッセンジャーRNAからタンパク質を合成する細胞小器官。50種類以上のタンパク質とRNA分子が絡まった複雑な巨大分子のため、構造解析は困難とされてきた。
※2 大型ワイセンベルクカメラ
タンパク質結晶構造解析装置の一種。タンパク質の結晶にX線を照射し、回折像を記録する。得られた像を解析することでタンパク質の立体構造を解明できる。KEK物質構造科学研究所の坂部知平(さかべ・のりよし)名誉教授により開発されたものは、世界で初めて医療用X線フィルムであるイメージングプレートを高感度のX線検出器として用い、回折像を記録する。
※3 クルックス管
電極を真空ガラス管に封入したもの。電圧をかけると陰極から電子ビーム(陰極線ともいう)が発生し、その様子は蛍光板で観察することができる。

<新展示設置個所>

Zone-2 電子の旅[1]加速する、および[5]ノーベル賞コーナー


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