>ホーム >ニュース >トピックス >この記事 | last update:09/03/18 |
J-PARCハドロン実験施設K1.8BRビームライン完成 − 二次ビーム取り出し開始 − |
|||||||||||||
J-PARCセンター |
|||||||||||||
茨城県東海村に建設された大強度陽子加速器施設J-PARCの原子核・素粒子実験施設(ハドロン実験施設)の二次粒子ビームラインのK1.8BRライン(図1)において、2月11日、二次粒子ビームの発生及びその輸送に成功しました。 1月27日の50GeVシンクロトロン(MR)からの30GeV(300億電子ボルト)陽子ビームのハドロン実験施設への入射の成功を受けて、2月10日より、二次粒子生成標的および二次粒子ビームラインK1.8BRの運転を順次開始しました。運転は、J-PARC建設チームとともにこのビームラインで最初に実験を行うE17とE15の2つの実験グループ(実験責任者、早野龍五東京大学大学院教授(E17)、岩崎雅彦理化学研究所主任研究員(E15)、東京大、理研、KEK、東京工業大、京都大、大阪大の合同チーム)で行いました。ビームライン電磁石群の設定を1.1GeV/cに設定し、検出器の調整後、2月11日には、ビーム粒子の通過位置を測定するワイヤーチェンバー及び時間情報を測定するプラスチックカウンターでビームの到達を確認し、4日後の2月15日には、7.7m離れて置かれたプラスチックカウンター間の飛行時間の測定に成功し、ビーム中にπ中間子および二次陽子を確認しました(図2)。 2月16日からはK1.8BRラインに設置されている静電分離装置(ESS)にビーム環境下で初めて高電圧を印加しました。この装置は、ビーム中のK中間子の濃度を高める働きをします。 また、2月19日には、原子力安全技術センターによる、ハドロン実験施設の放射線に係わる運転時検査を受け、「特段の指摘事項なし」と認められました。 50GeVシンクロトロンは2月26日で平成20年度の運転を終了しました。 ハドロン実験施設では今秋の運転再開に向け、現在1.8BRビームラインの下流にあたるK1.8ビームライン、中性K中間子(KL)ビームラインの建設作業、K1.8BRビームラインでは、E17実験開始に向けた実験装置の設置作業を進めています。
|
copyright(c) 2009, HIGH ENERGY ACCELERATOR RESEARCH ORGANIZATION, KEK 〒305-0801 茨城県つくば市大穂1-1 |