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第2回アジア連携加速器科学ワークショップ 韓国で開催

2010年12月8日

11月29~30日、アジア連携加速器科学ワークショップ(JAAWS: Joint Asian Accelerator Workshop)が、韓国、浦項市の韓国科学技術大学(POSTECH)にて開催されました。


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第2回JAAWS参加者 POSCO International Center前にて


JAAWSはインド、韓国、中国、日本、ロシアの5カ国の加速器関連の主要研究所の所長らにより提唱された会議で、加速器関連技術の研究開発、検出器開発、またそれらの応用分野におけるアジア地域内での連携と協力のさらなる促進を目的に、昨年から始められた新たな連携の枠組み。今回が2回目の開催となりました。

今回のワークショップには、上記5カ国に台湾も加わり、総勢80名を超える参加がありました。会議初日には、第1回JAAWSでの議論内容のレビューを行った後「加速器の医療・産業利用のための研究開発」「測定器の研究開発」「中性子ビーム及びその利用に関する研究」「放射光やレーザー等を用いた研究」「先端的加速器技術の研究」の5分野に分かれて議論を行いました。今回は中性子ビームと測定器の分野で一部合同セッションを行うなど、分野間での交流も見られました。いずれの分野においても、参加各国の研究者から最新の研究成果についての報告や国際的連携の可能性、さらに、研究資材の供給不足、知的財産、輸出入の障壁といった各国が共通して抱える研究上の問題点についても活発な議論がなされました。

2日目には、各分野から議論の内容と今後の展望について報告が行われました。世界3極の一つとしてアジアにおける加速器・測定器の研究開発分野をさらに発展させるためには、お互いの長所を生かした国際連携と、共通する問題点の解決に向けて協力して取り組むことが重要であるとの認識が共有され、次回会合に向けてさらに具体的な連携を進めていくことが確認されました。

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挨拶をするIn Soo Ko氏

ワークショップの締めくくりとして、本会議の議長であり、アジア地域将来加速器委員会(ACFA)議長のIn Soo Ko氏(浦項加速器研究所アドバイザー)から閉会の挨拶があり、本ワークショップの名前をJAAWSから「アジア加速器・測定器フォーラム」(AFAD:Asian Forum for Accelerators and Detectors)に変更し、今後はワークショップという域を超えて、アジアにおける加速器・測定器関連技術とその応用に向けた交流の核として活動していくことと、ACFAの活動の一環としてこの会議を開催することについて提案があり、参加者から同意が得られました。

第3回会合は、2012年1月にインドにて開催予定です。

発表資料等、詳しくはJAAWSホームページをご覧ください。