2010年6月2日
5月27日~30日、NHK放送技術研究所にて技研公開2010が開催されました。
KEKからは、医療診断に活用される高画質X線イメージングシステム開発の成果を出展しました。これはNHK、筑波大学循環器外科との共同研究によるものです。
今回開発されたFOP-HARP膜は、X線や近赤外線など、ヒトの目では見ることのできない光を使った撮像の高画質化を狙ったもので、超高感度撮像を得ることができます。
X線などを効率よくHARP撮像管に集めるため、従来のレンズから光ファイバーを束ねたFOPに代えることで数%であった光の利用率を約60%にまで向上させることが可能になりました。
これにより、血管撮影時の照射X線量を従来の10分の1にまで低減できることや、微小な血管までとらえられることが確認されました。
会場ではFOP-HARP膜やFOP-HARPで撮影された映像の他、暗箱内を赤外線で撮影するデモンストレーションが行われ、28日には大川裕司氏(NHK放送技術研究所)による研究発表があり、産業界を含めた多くの方が来場されました。