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震災による実験停止に海外の放射光施設も支援

2011年8月9日

3月に発生した東北地方太平洋沖地震の被害により、KEK放射光科学研究施設フォトンファクトリー(PF)では、予定していた共同利用実験を一時中断せざるを得ませんでした。このPFの運転停止期間中に予定されていた実験課題は、国内外の多くの放射光施設で受け入れていただき、5月から多くの実験課題がSPring-8を始めとした他機関で実施されています。

協力していただいた放射光施設には、海外の施設も多く含まれています。現在までに、スタンフォード放射光研究所(SSRL、米国)、台湾放射光研究センター(NSRRC、台湾)、上海放射光施設(SSRF、中国)などの海外の施設でPFの共同利用実験課題が実施され、一部の課題ではPFのスタッフが同行し、技術支援を行ないました。

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SSRLのビームライン4-2
ビームライン担当者の松井勉博士(左)と清水伸隆特別准教授

7月にはSSRLの小角散乱ビームライン4-2においてPFの共同利用実験課題が実施され、技術支援として五十嵐教之准教授、清水伸隆特別准教授が同行しました。この様子は、SLAC(スタンフォード線形加速器センター)のウェブサイトや地元情報サイト(InMenlo)でも紹介されました。記事中で五十嵐准教授は、PFでの復興の様子やSSRLへの感謝の言葉を語っています。

台湾の放射光施設NSRRCでは、7月27日〜8月3日の1週間のビームタイムを、PF共同利用実験のための支援ビームタイムとして割り当てていただきました。この間に実施した課題の一つの実験責任者である安藤正海・東京理科大教授の研究グループがNSRRCのニュースサイトで紹介されています。

SLAC NEWS CENTER, Feature Story
https://news.slac.stanford.edu/features/slac-welcomes-displaced-japanese-scientists

NSRRC, Taiwan, News Brief
http://www.srrc.gov.tw/ViewNews/MediaLayout03.aspx?ViewID=M20110729155840620&Lang=English