2011年2月9日
2月4日、都内にて第27回井上学術賞・研究奨励賞の贈呈式が行われました。
KEK物質構造科学研究所の阿部仁(あべ・ひとし)准教授は「深さ分解XMCDによる磁性薄膜の磁気異方性の研究」で井上研究奨励賞を受賞されました。また、KEKフォトンファクトリー(PF)のユーザーである東京大学大学院理学系研究科の濡木理(ぬれき・おさむ)教授は「遺伝暗号翻訳とタンパク質合成のメカニズムの解明」で井上学術賞を受賞されました。
贈呈式には37名の研究者を始め、約100名の出席者が見守る中、厳かな雰囲気で行われました。井上科学振興財団理事長のあいさつに続き、高木義明文部科学大臣より「この賞を契機として、我が国基礎科学の進歩に一層取り組まれることを望みます」と祝辞が贈られました。
受賞された阿部准教授は「私の実験は全てPFで行ったもので、PF関係者の皆様にも感謝しております。今、私はPFのスタッフの一員に加えて貰っていますが、共同利用実験者の先生方、学生の皆さんのお役に立てるように頑張っていくことが、恩返しの一歩と思っています。この歴史ある賞の過去の受賞者の皆様のお名前を拝見すると、自分が同じ賞を頂いたことが信じられない気持ちになります。改めて身の引き締まる思いですが、今後とも一つ一つ頑張っていきたいと思います」と語りました。
また、濡木教授は「このような賞をいただき大変光栄に思います。私が研究を始めて約25年になりますが、これは研究室のメンバー、学生たちが日夜土日を惜しまず研究してくれた賜物です。今、私の研究室では遺伝暗号の翻訳に加えて、膜輸送体の研究をやっています。今後20年で、におい・味・温度などの感覚受容をどのように感じているのかを研究したいと考えています」と語りました。