2011年1月28日
1月25日、松戸市立第3中学校にて「見えないものを見る」をテーマに霧箱を使った放射線と、見えない粒子を作りだす加速器を紹介するプログラムを実施しました。この授業は中学2年生6クラスを対象に、経済産業省が実施している早期工学人材育成事業の一環で行われたものです。
「宇宙から来るものは?」講師の問いかけに「熱・紫外線・光・・・」と次々に答える生徒たち。宇宙から来ているものの一つに放射線があります。普段は見えないので、全く気がつかないのですが、宇宙からはミュオンという粒子が毎秒1個手のひらを通過するくらいの頻度で降ってきています。そんな放射線を観察する道具として、霧箱があります。今回の実習では、線源となるマントルとアルコールを霧箱に入れ、ドライアイスで冷やして飛行機雲のように見える放射線の軌跡を観察しました。
部屋を暗くしてしばらくすると、あちこちから「うわぁ、見えた!」と生徒たちの声。「どの方向に飛んでいますか?どんな形をしていますか?」講師の問いに応え、次第に観察を深めていきます。
放射線の正体、見えない粒子を霧箱のような測定装置で観察していくことが宇宙の研究につながることを実感した時間となりました。
KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。詳しくはKEKキャラバンをご覧ください。