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研究者のたまご達 2004.6.24 |
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〜 第15回総研大夏期実習 〜 |
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新しい研究を切り拓いていくのはいつの時代も若い人たちの活力です。一人でも多くの若手研究者のたまご達にKEKの研究活動を知ってもらおうと、KEKと総合研究大学院大学が毎年開いている「夏期実習」に、今年も全国各地の大学や大学院から多くの学生が参加しました。 全国から73名 今年の夏期実習は6月14日から16日の3日間、開催されました。参加者は73名で、学部4年生と修士1年生が中心でした。地の利の関係からやはり首都圏の大学からの参加者が多めでしたが、地域的には新潟大学から岡山、広島大学までかなりの広がりを見せています。 加速器ビームを用いた実習がかなりの部分を占めるために毎年6月末から7月初旬の加速器停止前に実習が行われていますが、今年は特に放射光の運転スケジュールの関係で6月半ばでの実施となりました。そのせいか参加者数が例年(〜100名)に比べやや少なめであったのが残念です。 本実習では電子・陽電子衝突型加速器、陽子シンクロトロン、中性子−ミュオン施設、放射光施設など、我が国で唯一の複合加速器施設を持つ本機構の特徴を生かし、総合研究大学院大学の学生同様これらの施設を実際に使用するテーマが組まれました。 今回の夏期実習では20のテーマが用意され、実習生は応募の段階で希望するテーマを選択することができるようになっていました。特に幾つかのテーマでは定員を超える希望者がおり、若干の人数調整を必要としたようですが、参加者はおおむね希望のテーマによる実習を受けることができたようです。 3日間のカリキュラム 初日の午前は、放射線を取り扱う実習を受講する学生に対する、放射線安全教育に当てられました。講義の最後には試験問題が用意されました。全員が無事、一発で合格し午後のカリキュラムに進むことができました。 午後は実習生全員に対するガイダンスに続いてKEKと総研大の紹介が鎌田進先生により行われ、その後本機構の研究に関連した共通講義として、素粒子原子核研究所の小林誠先生による「素粒子物理学の現状と展望」、物質構造科学研究所の門野良典先生による「μSR法による磁性・超伝導研究の最前線」、そして加速器科学研究施設の浦川順治先生による「リニアコライダー加速器開発の現状と展望」と題した講義が3つの会場に分かれて行われました。 時間の関係でやや慌ただしかったものの、どの講義も専門分野以外の学生にとっても大いに興味をそそられる内容だったと思います。最後に、実習生はテーマに別れ担当教官からオリエンテーションを受けました。 2日目と3日目の午前はテーマ別の実習が行われ、参加者はそれぞれ他では得難い経験をしたことと想像します。3日目の午後には施設の見学ツアーが催されました。見学場所は昨年より3カ所も増えて
の8ケ所でしたが、見学場所の組み合わせが異なる4つのコースを設け、各コースの見学場所は上記8つのうちの3つという内容にして行いました。その結果は大変好評で、もっと見たいという不満が出るほどでした。 講師の先生方が丁寧で熱心に教えてくれたことが印象に深く残った受講生が多かったようです。「来年もぜひまた受講したい」と受講テーマについての専門的な希望をあげる人もいました。 夏期実習の主催者は「今年も全員無事に、怪我や事故もなく3日間の実習を終えることができ、安堵しているところです。」と話しています。 この夏期実習は(財)高エネルギー加速器科学研究奨励会から助成されています。
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