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last update:06/12/14  

   image KEKの公開講座    2006.12.14
 
        〜 自然界の謎に挑む 〜
 
 
  KEKは10年前から、毎年秋の終わりにつくば市内で公開講座を開催しています。第一線の研究者が素粒子や原子核、物質構造や加速器などの話題について、講義形式でじっくりと講演を行います。11回目の開催となった今年の公開講座のテーマは「自然界の謎に挑む」でした。

夜空に輝く無数の星を擁する広大な宇宙には、数々の謎が秘められています。また、我々の身の回りで見たり触れたりすることのできる物質にも、まだ知られていないことがたくさんあります。そんな未知の世界を解き明かすために、KEKでは加速器によって作り出される粒子ビームやX線を使って実験が行われています。

これらの研究を進めるうえで量子力学や相対性理論など、20世紀の物理学の大きな成果を欠かすことができません。また、進展が著しい生体内のタンパク質の構造の組織的な解明活動や、ムーアの法則に代表されるIT技術や計算機・ネットワークの性能の爆発的向上によって、巨大科学と呼ばれる研究の進め方が可能になりました。

今年の公開講座では、加速器や素粒子を使った研究が、どのような謎にどのように挑戦してきたのか、私たちの理解はどこまで到達しているのか、今後どのような自然界の謎を解き明かそうとしているのか、さらに進展著しい計算機がどのように謎の解明に関わりどこに行こうとしているのか、などのテーマについて、最先端の研究者が11月25日と12月2日の2日間にわたって解説し、のべ178人の方が受講されました。

今年の講座の内容は以下のとおりです。

[11.25(土)]
「巨大顕微鏡と巨大望遠鏡で自然の謎に挑む」 KEK機構長 鈴木 厚人
KEKでは、加速器を用いて電子と陽電子を衝突させる実験や、加速器によって作られる放射光、中性子、ミュー粒子、パイ中間子、K中間子、ニュートリノなどの粒子を手段にする実験を行っています。そして、このような研究をとおして、宇宙の創成・進化、素粒子、原子核、原子、分子、生命の広範囲の自然現象に潜む謎の解明に挑んでいます。講演では、極微の世界と極大の世界を探る巨大顕微鏡・巨大望遠鏡であるKEKの加速器を駆使した謎への挑戦の様子を、世界で行われている研究の状況とも比較しながら紹介します。
講演ムービー(119MB)
「放射光が挑む世界」  物質構造科学研究所 教授 河田 洋
KEKの放射光リングから発生する強力な放射光は生命科学、物質科学の謎を原子構造、電子状態の立場から浮き彫りにしてきました。例えば、筋肉の収縮や生命現象の鍵をつかさどるタンパク質の反応と原子レベルの構造との関係や、ハードディスクの大容量化の鍵を握る巨大磁気抵抗現象の電子状態での解明などです。KEKでは更にエネルギー回収型加速器という新しい加速器を開発し、そこから発生する極短パルス・空間干渉性を持った放射光による新たな挑戦を計画しています。講演では、この挑戦によって拓かれる新しい世界を紹介します。
講演ムービー(114MB)
[12.2(土)]
「素粒子物理と宇宙」  素粒子原子核研究所 教授 岡田 安弘
私たちの宇宙は、クォーク、電子、ニュートリノ、光でできていますが、実は暗黒物質というまだ正体のわかっていない物質もたくさん存在しているはずだと考えられています。宇宙の極初期の高温の時代には、これ以外にゲージ粒子やヒッグス粒子といわれる素粒子も飛びかっていたはずですが、このうち、ヒッグス粒子は未発見です。これからの素粒子物理が、どのようにヒッグス粒子を発見し暗黒物質の正体を明らかにするのか、そしてそれが宇宙の進化の理解にどのように役立つのかを解説します。
講演ムービー(117MB)
「自然の謎と計算機」  KEK名誉教授 渡瀬 芳行
自然の謎に迫る科学の研究には、それぞれの時代で必要な“道具”を開発して挑んできた歴史があります。“道具”を作るための技術の発展が新しい挑戦を可能にし、その成果が科学技術として、私たちの生活に役立つ道具も生んでいます。自然科学の研究に必要な“道具”である計算機は、加速器とともに大きな役割を果たしてきました。スーパーコンピュータからネットワークまで、自然の謎を解くためにどのように使われてきたのか、その歴史と今挑んでいる謎に迫るための最先端の計算機(情報技術)についてお話します。
講演ムービー(127MB)
 ムービーを見るにはQuickTime Playerのプラグインが必要です。    
プラグインダウンロードはこちら)    
 
 
KEKではこれからも様々なテーマで公開講座を続けていきます。
 
 
 
  ※もっと詳しい情報をお知りになりたい方へ

→2006年公開講座のwebページ
  http://www.kek.jp/koukaikouza/2006/
→講演ビデオ集のwebページ
  http://www.kek.jp/ja/video/



・参加者アンケート抜粋はこちら
・参加者の住所
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[図1]
KEK機構長 鈴木厚人。
拡大図(42KB)
 
 
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[図2]
物質構造科学研究所 教授 河田洋。
拡大図(61KB)
 
 
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[図3]
素粒子原子核研究所 教授 岡田安弘。
拡大図(57KB)
 
 
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[図4]
KEK名誉教授 渡瀬芳行。
拡大図(63KB)
 
 
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[図5]
会場の様子。
拡大図(78KB)
 
 
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[図6]
2006年公開講座のポスター。
拡大図(150KB)
 
 
 
 
 

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