[11.25(土)] |
「巨大顕微鏡と巨大望遠鏡で自然の謎に挑む」 KEK機構長 鈴木 厚人 |
KEKでは、加速器を用いて電子と陽電子を衝突させる実験や、加速器によって作られる放射光、中性子、ミュー粒子、パイ中間子、K中間子、ニュートリノなどの粒子を手段にする実験を行っています。そして、このような研究をとおして、宇宙の創成・進化、素粒子、原子核、原子、分子、生命の広範囲の自然現象に潜む謎の解明に挑んでいます。講演では、極微の世界と極大の世界を探る巨大顕微鏡・巨大望遠鏡であるKEKの加速器を駆使した謎への挑戦の様子を、世界で行われている研究の状況とも比較しながら紹介します。 |
講演ムービー(119MB)
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「放射光が挑む世界」 物質構造科学研究所 教授 河田 洋 |
KEKの放射光リングから発生する強力な放射光は生命科学、物質科学の謎を原子構造、電子状態の立場から浮き彫りにしてきました。例えば、筋肉の収縮や生命現象の鍵をつかさどるタンパク質の反応と原子レベルの構造との関係や、ハードディスクの大容量化の鍵を握る巨大磁気抵抗現象の電子状態での解明などです。KEKでは更にエネルギー回収型加速器という新しい加速器を開発し、そこから発生する極短パルス・空間干渉性を持った放射光による新たな挑戦を計画しています。講演では、この挑戦によって拓かれる新しい世界を紹介します。 |
講演ムービー(114MB)
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[12.2(土)] |
「素粒子物理と宇宙」 素粒子原子核研究所 教授 岡田 安弘 |
私たちの宇宙は、クォーク、電子、ニュートリノ、光でできていますが、実は暗黒物質というまだ正体のわかっていない物質もたくさん存在しているはずだと考えられています。宇宙の極初期の高温の時代には、これ以外にゲージ粒子やヒッグス粒子といわれる素粒子も飛びかっていたはずですが、このうち、ヒッグス粒子は未発見です。これからの素粒子物理が、どのようにヒッグス粒子を発見し暗黒物質の正体を明らかにするのか、そしてそれが宇宙の進化の理解にどのように役立つのかを解説します。 |
講演ムービー(117MB)
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「自然の謎と計算機」 KEK名誉教授 渡瀬 芳行 |
自然の謎に迫る科学の研究には、それぞれの時代で必要な“道具”を開発して挑んできた歴史があります。“道具”を作るための技術の発展が新しい挑戦を可能にし、その成果が科学技術として、私たちの生活に役立つ道具も生んでいます。自然科学の研究に必要な“道具”である計算機は、加速器とともに大きな役割を果たしてきました。スーパーコンピュータからネットワークまで、自然の謎を解くためにどのように使われてきたのか、その歴史と今挑んでいる謎に迫るための最先端の計算機(情報技術)についてお話します。 |
講演ムービー(127MB)
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