分子の電子構造 原子の等方的な電子軌道からの光電子放出は図1のような分布になる。一方、配向した分子の場合は局所的に見れば等方的な電子軌道であっても、そこからの光電子放出は非等方的な分子ポテンシャルを反映して図2のような複雑な分布になる。このような分子の光電離に関する詳細な研究によって、分子の電子構造が明らかにされていく。
軌道秩序の直接的観測 層状ペロブスカイト型マンガン酸化物La0.5Sr1.5MnO4の低温相での、電荷・スピン・軌道の秩序状態が示されている。この系の物性はこの3つの自由度により支配されている。放射光X線の特徴である大強度・エネルギー可変性・偏向特性を利用することにより、電荷・軌道の秩序状態を、中性子磁気回折により、スピンの秩序状態を直接観測することができる。