フォトンファクトリー

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放射光研究施設
場所:地図の６　所要時間:約30分

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• “光の工場”放射光研究施設では、高エネルギー電子・陽電子加速器から放射される光＝放射光を用いた様々な研究が行われています。
• 放射光は、今からちょうど50年前に初めて観測されました。光といっても目に見える光（可視光）より100倍以上もエネルギーが高い光（真空紫外線、X線）です。
• 放射光はエネルギーが高いので、分光法を用いて原子や分子の中の電子の状態を調べることができます。またX線の波長は、可視光の1000分の1以下と短いので回折法を用いて物質中の原子の並び方を調べることもできます。さらに放射光の照射によって起こる化学反応についての研究も進められています。
• 放射光研究施設は、通常の実験室では得られない放射光の様々な特徴を活かして、基礎物理学、化学、生物学、工学、医学など非常に幅広い分野の研究が１カ所で行われているという極めて珍しい施設です。
  　
• 放射光研究施設の電子・陽電子貯蔵リング（PFリング）は、周長187mの楕円形の加速器です。長さ400mの線形加速器（LINAC）で25億電子ボルトに加速された電子を長時間安定に貯蔵し、高エネルギーの放射光を発生します。
• PFリングは、昨年の冬以来暫くの間運転を休止して新型の電磁石を組み込む改造を行っており、今秋に運転を再開します。この改造によって、以前よりもさらに高輝度の（明るくて、細くしぼられた）放射光を供給することができるようになります。

【見どころ】

• LINACからPFリングまでの入射ビーム輸送ライン
• 高輝度化改造を行ったPFリング加速器

高輝度化改造作業中のPFリング加速器
今秋より運転を再開し、以前よりもさらに明るく、細くしぼられた放射光を供給します。

• PFリングの外側に拡がる実験ホールは、放射光を使った研究を行う場所で、様々な実験装置と、実験装置に光を導くためのビームラインが所狭しと並べられています。リングが運転され、放射光が利用できるように なると、全国の大学や研究機関のみならず、海外や民間企業からも多くの研究者が集まってきて、24時間体制で利用実験を行っています。
• 今年は、放射光を利用した実験をデモンストレーションで体験していただき、 ビームラインの各パーツも詳しく展示・紹介します。さらに世界的にもユニークなパルスX線利用を目指すPF-AR計画についても実演で紹介します。

【見どころ】

• 放射光の分光・回折・照射効果を利用した実験のデモンストレーション
• 放射光ビームラインと光学素子
• シングルバンチ高エネルギー放射光利用PF-AR計画

放射光の輝き
アンジュレーターで発生する干渉性放射光は丸い虹のよう に見えます。この中心部分で、目には見えない強力な軟X線 が発生しています。


アンジュレーター軟X線分光ビームライン（BL-2C）
アンジュレーターから得られる軟X線を世界最高のエネルギー分解能で分光することができるビームライン。


ヒドロキシルアミン酸化還元酵素の構造
放射光X線回折により、このように複雑な生体物質の構造を 明らかにすることができます。このタンパク質は地球上の窒素循環において、無機物代謝を行っている酵素です。


PF-ARで実現する時間分割結晶構造解析
PF-ARのシングルバンチによって得られるパルスX線を用 いて、タンパク質結晶内の分子構造の動きを捉えることができます。