講義概要
中性子と放射光を利用して地球や惑星の中身を調べる 13:35~14:35
鍵 裕之 (東京大学 大学院理学系研究科 教授)
地球内部は高温高圧の世界です。私たちの身の回りにある物質も、高い圧力をかけると全く異なる性質を示します。例えば水に圧力をかけると室温でも凍り、その氷は水に沈みます。私たちは放射光や中性子を使って、地球や惑星の内部に存在する物質の性質を調べています。今回の講義では地球の中がどのような物質でできているか、そしてそれがどのようにしてわかったかを解説いたします。(講義資料)
放射光で明らかにする太陽系天体の誕生のプロセス 15:00~16:00
中村 智樹(東北大学 大学院理学研究科 教授)
小惑星探査機はやぶさはS型小惑星イトカワから多くの微粒子を回収する事に成功しました。
回収した微粒子に対して、放射光等を用いた解析を行うことで、
1. イトカワは太陽系誕生時に形成された化学的に未分化なコンドライト天体であること。
2. イトカワは直径20km以上の天体として形成され、放射性同位元素の崩壊熱により天体内部の温度が約800℃程度になっていたこと。
3. 天体内部の温度が下がった後に、イトカワは大きな衝突を受け粉砕され、そのかけらが現在のイトカワであること。
を明らかにしました。当日は本解析の詳細を説明するとともに、明らかとなってきた太陽系の初期進化史を紹介します。
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