講義概要
ブラックホールと高エネルギー宇宙 13:35~14:15
井岡 邦仁 (高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 准教授)
ブラックホールは全てを吸い込み、そこからは何ものも出て来られません。ところが、ブラックホールは宇宙で最も明るい天体、そして高エネルギーの加速器として観測されているのです。本講演ではブラックホールの最新の姿と謎をご紹介します。
宇宙のはじまり、現在、未来 14:25~15:05
郡 和範 (高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 准教授)
アインシュタインが提案した宇宙定数…。それは宇宙が引力により収縮してしまうことを避けるため、アインシュタイン方程式に自らが付け加えた反発力を表す定数項のことです。しかし、後に、彼はこのアイディアを取り下げることになります。皮肉にも、宇宙観測が進んだ現在では、宇宙のエネルギーの約70%が、ダークエネルギーと呼ばれる宇宙定数のような未知のエネルギー状態によって占められ、宇宙は加速膨張していることが明らかとなってきました。そして、アインシュタインですら予言できなかった、宇宙誕生の謎と、ダークエネルギーが引き起こす驚くべき宇宙の未来の姿とは?そうした最新の宇宙論の理論を解説します。
一般相対性理論の実験的検証と重力波 15:15~15:55
都丸 隆行(高エネルギー加速器研究機構 共通基盤研究施設 超伝導低温工学センター 准教授)
アインシュタインの一般相対性理論は、我々の宇宙がどのようになっているのかを考えていく上で無くてはならない理論です。しかし、これが「本当に正しいのか?」は実験により確認されなければなりません。一般相対性理論がどのように実験で確認されているのか、そして何が分かっていないのか、さらにはその予言から新たに拓かれると期待されている重力波天文学について、ご紹介致します。