KEK

講義概要

 SuperKEKB始動!  13:35~14:35


増澤 美佳 (高エネルギー加速器研究機構 加速器研究施設 教授)


SuperKEKB加速器は、電子ビームと陽電子ビームを衝突させてB中間子とその反粒子の対を作り出す加速器です。SuperKEKBの前身の加速器であるKEKBでは、B中間子対の崩壊反応をBELLE検出器により測定・解析することで、これまで、小林・益川理論の検証を始めとして、素粒子物理学のさまざまな成果を生み出してきました。 この研究をさらに進めて宇宙・素粒子の世界をより深く知るには、衝突頻度を示す加速器の性能「ルミノシティ(輝度)」をさらに高めて、より大量のB中間子対を作り出すことが必要です。SuperKEKBでは、衝突するビームの広がりをKEKBの1/20に絞り、ビーム電流をKEKBの2倍にあげることで、KEKBの40倍の衝突性能実現を目指します。 SuperKEKBへの改造は、2010年の後半からスタートし、2011年の東日本大震災をはさんだ5年半にも及ぶ建設工事期間を経て、ついに2016年2月に試験運転開始に至りました。 この講義では、SuperKEKBの概要と5年半にも及ぶ建設工事についてご紹介します。


 Belle II実験で探索する素粒子物理の世界   15:00~16:00


宇野 彰二(高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 教授)

中性B中間子における大きなCP不変性の破れを測定することによって、小林・益川両先生にノーベル物理学賞をもたらしたKEKB加速器・Belle検出器での実験を踏まえて、進化したSuperKEKB加速器・改良されたBelle II検出器で大量の素粒子現象をとらえることによって、新しい素粒子物理の世界をどのように探索しようとしているかを解説します。


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