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高エネルギー加速器研究機構(KEK)

2011年6月30日
高エネルギー加速器研究機構

つくば市で観測された空気中の放射性物質の種類と濃度の測定結果について(10)

つくば市にある高エネルギー加速器研究機構は国立環境研究所と、つくば市における空気中濃度の測定を実施しています。今回は5月26日から6月19日にかけて行った第43回から第54回の測定結果を報告します。それ以前の測定結果については第9報をご覧ください。

採取条件

  1. 採取場所:国立環境研究所敷地内
  2. ハイボリュウムエアサンプラー:毎分600ℓで2日間連続吸引した。
  3. 使用ろ紙:石英繊維ろ紙(1枚)および活性炭ろ紙(2枚)の2段組で捕集

ろ紙の測定は、高エネルギー加速器研究機構設置の高分解能Ge検出器を用いた。この期間の各試料の測定時間はこれまでの5,000秒から20,000〜40,000秒と長くしている。

表1から表3に測定結果を示す。試料の採取条件、採取時の気象条件は国立環境研究所の震災関連情報(http://www.nies.go.jp/shinsai/)に掲載されている。

空気中の放射能濃度は次第に減衰しています。今後も測定は継続いたしますが、福島第一原子力発電所由来の放射性核種の濃度に増加が見られた場合に報告を行うことにいたします。

第1表 第43回から第46回の採取試料の検出核種及び濃度

第43回第44回第45回第46回
採取期間5.26 10:49 〜 5.28 10:495.28 11:56 〜 5.30 10:265.30 10:32 〜 6.1 10:326.1 10:49 〜 6.3 10:26
採取量1,728m31,673m31,728m31,715m3
核種濃度(Bq/cm3濃度(Bq/cm3濃度(Bq/cm3濃度(Bq/cm3
I-1313.4×10-102.2×10-105.3×10-10検出せず
Te-132検出せず検出せず検出せず検出せず
Cs-1343.1×10-108.4×10-104.2×10-102.6×10-10
Cs-136検出せず検出せず検出せず検出せず
Cs-1372.7×10-101.0×10-94.8×10-103.0×10-10
Te-129m検出せず検出せず検出せず検出せず

第2表 第47回から第50回の採取試料の検出核種及び濃度

第47回第48回第49回第50回
採取期間6.3 10:32 〜 6.5 10:326.5 11:47 〜 6.7 11:256.7 11:32 〜 6.9 10:356.9 10:45 〜 6.11 10:45
採取量1,728m31,714m31,694m31,728m3
核種濃度(Bq/cm3濃度(Bq/cm3濃度(Bq/cm3濃度(Bq/cm3
I-131検出せず検出せず検出せず検出せず
Te-132検出せず検出せず検出せず検出せず
Cs-134検出せず検出せず検出せず検出せず
Cs-136検出せず検出せず検出せず検出せず
Cs-137検出せず検出せず検出せず検出せず
Te-129m検出せず検出せず検出せず検出せず

第3表 第51回から第54回の採取試料の検出核種及び濃度

第51回第52回第53回第54回
採取期間6.11 11:06 〜 6.13 10:356.13 10:41 〜 6.15 10:336.15 10:40 〜 6.17 10:226.17 10:29 〜 6.19 10:29
採取量1,709m31,724m31,717m31,728m3
核種濃度(Bq/cm3濃度(Bq/cm3濃度(Bq/cm3濃度(Bq/cm3
I-131検出せず1.0×10-10検出せず検出せず
Te-132検出せず検出せず検出せず検出せず
Cs-1341.4×10-96.5×10-10検出せず検出せず
Cs-136検出せず検出せず検出せず検出せず
Cs-1371.4×10-96.7×10-10検出せず検出せず
Te-129m検出せず検出せず検出せず検出せず



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図1 5月以降の空気中の放射性物質の濃度(Bq/cm3※1

5月1日以降の濃度変化を図1に示す。縦軸の単位はBq/cm3である。
第9回で報告した5/20−5/22に検出されてから減少傾向にあったが、6/11-6/15にかけてセシウム等が検出された。


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図2 3月15日以降の核種毎の空気中濃度(Bq/cm3)の変化。

次に、図2に3月15日以降の核種毎の空気中濃度の変化を片対数グラフに示す。縦軸の単位はBq/cm3である。現在、3月15日頃に比べて、5桁以上減衰しており、問題となる濃度レベルではない。




※1 1Bq/cm3(1立方cmあたり1ベクレル):1ベクレルは1秒間に1回の割合で放射性崩壊がおこることを意味する。




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