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高エネルギー加速器研究機構(KEK)

2011年4月25日
高エネルギー加速器研究機構

つくば市で観測された空気中の放射性物質の種類と濃度の測定結果について(6)

つくば市にある高エネルギー加速器研究機構は国立環境研究所と、つくば市における空気中濃度の測定を実施しましています。今回は4月1日から4月11日にかけて行った第16回から第20回の測定結果を第1表から第5表に示します。今回、全ての採取試料について再測定し、再評価を行いました。その結果、第1回目の測定結果を第6表のように修正いたします。他の測定結果については変更ありませんので、第5報をご覧ください。

採取条件

  1. 採取場所:国立環境研究所敷地内
  2. ハイボリュウムエアサンプラー:第16、17回は毎分350ℓ、第18回以降は600ℓで空気を吸引採取
  3. 使用ろ紙:石英繊維ろ紙(1枚)および活性炭ろ紙(2枚)の2段組で捕集

ろ紙の測定は、高エネルギー加速器研究機構設置の高分解能Ge検出器を用いた。

表1および5に測定結果を示す。最近の傾向は、3月15日の頃に比べて約1000分の1に減少している。第19回(4/7-4/9)の採取期間は、風が強く粉塵の捕集量が非常に増加したが、放射性物質の顕著な増加はなかった。ヨウ素-131が依然として最も多いが、総量が減少していることによりセシウムの放射性同位体(134および137)の比率が相対的に増加している。

高エネルギー加速器研究機構は引き続き測定を継続し、正確なデータの公表に努めていきます。

第1表 第16回採取試料の検出核種及び濃度(Bq/cm3※1

採取期間:2011年4月1日10:54 - 4月3日10:54
採取空気量:1019立米

放射線量グラフ
核種濃度(Bq/cm3※1
ヨウ素-1311.4×10-7
テルル-1325.5×10-10
セシウム-1341.7×10-8
セシウム-1367.0×10-10
セシウム-1371.6×10-8
テルル-129m検出せず
ヨウ素-133検出せず
テクネチウム-99m1.6×10-8

テクネチウム-99mはモリブデン-99から生成しており放射平衡に達している。
以上の他、ランタン-140等が検出されている。

第2表 第17回採取試料の検出核種及び濃度(Bq/cm3※1

採取期間:2011年4月3日11:21 - 4月5日10:59
採取空気量:1026立米

放射線量グラフ
核種濃度(Bq/cm3※1
ヨウ素-1311.8×10-7
テルル-1321.3×10-9
セシウム-1344.4×10-8
セシウム-1361.4×10-9
セシウム-1373.9×10-8
テルル-129m1.7×10-8
ヨウ素-133検出せず
テクネチウム-99m2.4×10-8

テクネチウム-99mはモリブデン-99から生成しており放射平衡に達している。

第3表 第18回採取試料の検出核種及び濃度(Bq/cm3※1

採取期間:2011年4月5日11:18 - 4月7日10:24
採取空気量:1691立米

放射線量グラフ
核種濃度(Bq/cm3※1
ヨウ素-1315.0×10-8
テルル-132検出せず
セシウム-1341.4×10-9
セシウム-136検出せず
セシウム-1371.4×10-9
テルル-129m検出せず
ヨウ素-133検出せず
テクネチウム-99m検出せず

第4表 第19回採取試料の検出核種及び濃度(Bq/cm3※1

採取期間:2011年4月7日10:31 - 4月9日10:31
採取空気量:1728立米

放射線量グラフ
核種濃度(Bq/cm3※1
ヨウ素-1318.4×10-8
テルル-132検出せず
セシウム-1344.0×10-8
セシウム-1361.1×10-9
セシウム-1373.6×10-8
テルル-129m検出せず
ヨウ素-133検出せず
テクネチウム-99m検出せず

以上の他、銀-110m、ランタン-140が検出されている。

第5表 第20回採取試料の検出核種及び濃度(Bq/cm3※1

採取期間:2011年4月9日11:08 - 4月11日10:48
採取空気量:1716立米

放射線量グラフ
核種濃度(Bq/cm3※1
ヨウ素-1313.7×10-8
テルル-1323.5×10-10
セシウム-1343.1×10-8
セシウム-1367.4×10-10
セシウム-1372.8×10-8
テルル-129m1.1×10-8
ヨウ素-133検出せず
テクネチウム-99m検出せず

以上の他、銀-110m、ランタン-140が検出されている。

第6表 第1回採取試料の再測定結果

採取期間:2011年3月15日14:39 - 3月15日17:34
採取空気量:105立米

第1回試料のうち石英フィルターの初回測定
3月15日19:04:02 測定時間:606秒
第1回試料のうち石英フィルターの再測定
3月28日9:28:12 測定時間:4000秒間

主成分のI-131、Te-132については再測定の結果、測定誤差範囲内でほとんど変化はなかった。

3月15日の試料のうちCs-134, 136, 137およびTe-129の初回測定については数値入力ミスにより、約5分の1に過小評価していたことが判明した。

同様にI-133についても、チャコールフィルターと合算し修正した結果を採用した。

(4月27日 8.4×10-7 Bq/cm3から2.9x10-6 Bq/cm3に訂正)
Tc-99mについては、放射平衡に達している今回の値を採用した。

放射線量グラフ
核種濃度(Bq/cm3※1
ヨウ素-1313.2×10-5
テルル-1322.3×10-5
セシウム-1344.0×10-6
セシウム-1366.8×10-7
セシウム-1373.8×10-6
テルル-129m3.8×10-6
ヨウ素-1332.9×10-6
テクネチウム-99m3.5×10-7

このほか、ランタン—140等が検出されている。



これまで測定した空気中濃度の経時変化を棒グラフで示すと以下のようになる。縦軸は濃度(Bq/cm3※1)である。

これまでの経過の棒グラフ

3月24日以降の測定結果





※1 1Bq/cm3(1立方cmあたり1ベクレル):1ベクレルは1秒間に1回の割合で放射性崩壊がおこることを意味する。




【連絡先】 KEK広報室 TEL:029-879-6047
mailto:proffice@kek.jp

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