Seminar
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3ループQCDポテンシャル等の数値的および解析的評価に用いるアルゴリズム( in Japanese)
- PLACE Kenkyu Honkan 1F, Meeting Room 1
摂動QCDにおける静的QCDポテンシャルの3ループ輻射補正を求めるための計算
手法を説明する。QCDポテンシャルはQCDにおいて基本的な物理量の1つであり、
重いqqbar束縛状態の質量などを初め、新しい物理への制限を与える多くの量の
計算にも必要である。また、近距離でのポテンシャルの値が摂動的に高精度で求
まれば、格子QCD等から得られるより遠距離での値との比較から、¥alpha_Sの値
を高精度に決定することなども可能となる。しかし、これらに必要な計算量は膨
大で、精度よく決定するためには新たな計算手法の開発が不可欠である。ここで
はそれらの一部を紹介する。
初めに、値に寄与する数万に及ぶ積分を、積分同士に成立する関係を用いて数
十の積分(Master積分)に帰着するための方法を述べる。この部分は原理的には巨
大な連立代数方程式を効率よく解くアルゴリズムである。従来PCクラスタ等が必
要と考えられていた計算が通常のPCとMathematicaのコードを用いて現実的な時
間で実行可能となっており、QCDポテンシャルの計算以外にも広い分野での応用
が期待される。
次に、実際に得られた41個のMaster積分の解析的評価について説明する。各積
分は運動量積分の後、最終的に¥Gamma関数及びその微分¥psi^(n)の積を含む多重
無限和として表現できる。このうち、¥Gammaがcancelした場合の(¥psi^(n)の積
および有理式を含む)一般的な無限和を解析的に評価するためのアルゴリズムを
開発したので、それについて述べる。