Seminar
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砂漠と自然性‐場の理論をこえて‐
- PLACE 研究本館1階会議室1
LHCの結果によると、超対称性は低エネルギーには見当たらず、しかもHiggs粒子は基本粒子と考えてもよい。 そうすると次に問題となるのは、どれくらい大きいエネルギースケールまで標準模型が有効かということであるが、 Higgs質量が決定されたため精度のよい解析ができるようになった。 まだ、トップクォーク質量の誤差からくるあいまいさはあるが、弱電磁スケールからプランクスケールの間には なにもない砂漠である可能性がでてきた。 これは、標準模型の物理とプランクスケールの物理が直接つながっているということであり、 それらの統合をはかることが素粒子物理学の次の目標であることを意味している。 そのための重要な手掛かりとなるのが宇宙項およびスカラー質量の自然性の問題である。 従来、自然性は超対称性との関連で議論されることが多かったが、上記の実験結果はより広い視野から議論しなおす必要性を示している。 自然性問題を再考するため、従来の結果を損なうことなく、場の理論を少しはみ出すいくつかの試みについて議論する。