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量子論の合成系の構造 (in Japanese)

  • PLACE 研究本館3Fセミナールーム Kenkyu Honkan 3F Seminar Room

近年、量子情報理論の進展に伴い量子論の公理を物理的あるいは情報的に意味のあるものに書き換えよういう試みが盛んになっている。「量子状態はヒルベルト空間を用いて表される」という公理の導出は最も重要であるが、それだけで他の全ての公理が直ちに導出できるというわけではなく、「合成系はヒルベルト空間のテンソル積で表される」という合成系の公理は明らかではない。ここでは量子論の局所系はヒルベルト空間で表されることを認めた上で、合成系の候補を絞っていくことを考えた。特に情報因果律など多くの物理的要請を満たす最大テンソル積状態空間を状態空間の候補から除外するため、状態について定義されていたエンタングルメントを物理量に拡張した。物理量のエンタングルメントと最大テンソル積状態空間は相容れない。測定出力として二値を取る物理量のエンタングルメントを検出することを考え、セパラブルな二値測定について成り立つBell-CHSH不等式の双対版を示した。


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