1.
リニアックリニアックは陽子を発生させ、少しずつスピードを上げる装置です。大出力イオン源・加速とビーム収束を同時に行うRFQ加速器・ドリフトチューブ加速器(DTL)・そして分離型ドリフトチューブ加速器(SDTL)によって構成されます。ここで開発された多くの新技術は安定なビーム加速に寄与すると共に、いくつかは広く世界で採用されています。
2.
3GeVシンクロトロン(RCS)リニアックのビームは、繰り返しシンクロトロンRCSに入射され、3GeVに加速・取り出されます。電磁石の磁場は25Hzの正弦波で駆動されるので、渦電流が流れないようにセラミックでビームダクトを作り、RCSリングの中では磁石等が設置されています
3.
ニュートリノ実験施設(ターゲットステーション等)発生させたニュートリノを295km離れた岐阜県神岡にある検出器スーパーカミオカンデに向けて打ち込み、ニュートリノ振動(ニュートリノが他の種類のニュートリノに変化する現象)を捕らえる実験を行います。ニュートリノの全容解明を始め、素粒子に関する様々な根源的問題に迫ります。
4.
前置ニュートリノ検出器日本原子力研究開発機構敷地内に設置された、ミュー粒子モニターとニュートリノビームの性能を測定するための装置。これらは神岡に向かうニュートリノビームの方向と強度とエネルギー分布を測定します。
5.
物質・生命科学実験施設中性子とミュオンを用いて物質の構造や機能・生命体の生命活動の仕組みを、原子や分子のレベルで詳細に観察し研究を行います。基礎から応用まで多岐に渡る分野の研究が展開されます。
6.
50GeVシンクロトロン(MR)RCSの3GeVビームをMRでは最大50GeVまで加速し、ニュートリノ実験施設と原子核素粒子実験施設に供給します。この加速に要する時間は約2秒です。一週1.6kmの装置には大きな電磁石が約300台並んでいます。
7.
原子核・素粒子実験施設(ハドロン実験施設)K中間子などを用いて、新しい核物質形態の研究やハドロンの質量の起源の研究、物質と反物質の対称性の破れなど、原子核物理、素粒子物理の研究を行います。