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第11回サマーチャレンジが開幕、全国の大学・高専から79人が参加
2017年8月23日
大学生、高専生のための素粒子・原子核、物質・生命スクール「第11回サマーチャレンジ」が8月18日、KEKつくばキャンパスで開校し、全国の大学・高専から79人が出席しました。サマーチャレンジは、主に大学3年生が、9日間にわたる体験学習を通じ、加速器を使った研究等の楽しさや興奮を実感してもらうことなどを目的に、2007年から毎年行われており、今年はKEK、日本中間子科学会、高エネルギー物理学研究者会議、原子核談話会、PF-UAが主催・共催しています。
初日の18日は、研究本館の小林誠記念ホールに集まった学生たちに対し、山内正則機構長は「ここにいる研究者たちは研究が大好きで、それを少しでも若い人たちに伝えたい、その喜びを分かち合いたいと思っています。学ぶことも大事だが、ぜひ楽しさを実感して帰ってください」とあいさつ。
続いて、2015年ノーベル物理学賞受賞者の梶田隆章・東京大学特別栄誉教授(宇宙線研究所長)が、「ニュートリノ振動の発見」と題して特別講演を行いました。梶田教授は、学生時代から岐阜県神岡町の実験施設「カミオカンデ」の観測に携わり、当初は陽子崩壊を観測する際の「雑音」に過ぎなかった大気ニュートリノの観測データから、将来のノーベル賞につながるヒントを得て、研究を続けてきた経緯をわかりやすく紹介。「ニュートリノにはまだ多くの謎が残っています。今後のニュートリノ研究はわれわれの自然に関する理解をより深めてくれると期待されます。若い皆さんには、積極的に科学研究の世界に飛び込んでもらえればと思っています」と締めくくりました。
学生たちからは「ニュートリノの透過力を活かし、見えない天体を発見することはできませんか」「カミオカンデの水槽を純水に保つためにどんな工夫をしていますか」なとの質問が出ていました。
サマーチャレンジの目玉である演習は、素粒子・原子核コースでは7つ、物質・生命コースでは5つが実施されます。大学やKEKの研究者が準備したテーマに基づき、参加学生が自ら検出器の組み立てや測定を行い、取得したデータに対して議論し、考えることを重視して進められます。
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