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last update:08/01/16  
若林裕助氏が日本放射光学会奨励賞を受賞
 
 
放射光科学第二研究系の若林裕助(わかばやし・ゆうすけ)氏が、第12回日本放射光学会奨励賞を受賞しました。この賞は、日本放射光学会員である35歳未満の若手研究者を対象に、放射光科学に関する優れた研究成果に対して授与されるものです。受賞対象となった研究は「放射光共鳴散乱を応用した軌道・電荷秩序の観測手法の開発研究」です。
 
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雨宮慶幸放射光学会長(左)から賞状を授与される若林氏
若林さんは、共鳴X線散乱、散漫散乱などの複数の手法を組み合わせて、強相関電子系物質の軌道秩序・電荷秩序の研究を行い、数多くの成果をあげています。共鳴散乱による研究成果は世界中で数多く報告されていますが、若林さんは実験的に共鳴X線散乱のメカニズム解明に取り組み、その適用範囲を明らかにするとともに数多くの系に応用して、興味深い物性の発現機構に迫りました。例えば、金属絶縁体一次転移を示すマンガン酸化物薄膜の軌道秩序の形成のメカニズムを明らかにしました。また、擬一次元分子性物質の鎖内の遷移金属の価数配列を、散漫散乱強度の空間分布状態とエネルギースペクトル依存性によって決定することに成功し、低次元秩序しかもたない物質の電荷秩序構造を決定する手法を確立しました。
 
以上のように、電荷秩序・軌道秩序の研究に新たな展開を拓く研究が高く評価され、今回の受賞となりました。
 
授賞式および受賞講演は2008年1月12〜14日に立命館大学びわこ・くさつキャンパスで開催された第21回放射光学会年会で行われました。
 
 
  関連サイト: 日本放射光学会のwebページ
http://www.jssrr.jp/
 
  受賞対象となった研究に関する記事:
    磁石に近づけると電気が流れる 〜巨大磁気抵抗効果の新たなしくみ〜
  http://www.kek.jp/newskek/2006/julaug/magnet.html
放射光の特性を活かし擬一次元金属の電子状態を直接観測
  /ja/news/press/2006/MMX.html

 

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