2010年11月11日
現在、KEKB加速器の高度化に向けた解体作業が着々と進められておりますが、11月9日(火)には、KEKB陽電子リングアーク部に設置されていた偏向電磁石の搬出作業が開始されました。
この偏向電磁石は、コイルの出っ張りをいれた全長が約1.2m、重さが2.8tもあるため、搬出は空気を床面に吹きつけて浮上する搬送用台車(エアーパレット)によって行われ、来年の3月末までに107台あるすべてのアーク部偏向電磁石が搬出されます。
今回、エアーパレットで搬出される偏向電磁石は、荷電粒子を円形軌道に乗せる重要な装置で、1998年のKEKB運転開始時から十数年にわたり、フル稼働でその役割を果たしてきました。
KEKBの高度化には、長さ4mほどの偏向電磁石が新たに陽電子リングアーク部に設置されますが、今回搬出される偏向電磁石も数十台は再利用される予定です。