受賞対象となった研究は「Structural and biochemical studies on ubiquitin signaling in the NF-κB pathway(NF-κB経路におけるユビキチンシグナル伝達の構造生物学的および生化学的研究)」です。転写因子NF-κBは、抗体を作り出す細胞であるB細胞で発見されました。通常は細胞質内に不活性な状態で存在しますが、スイッチが入った状態になると細胞核に運ばれ、DNAの転写が始まります。ラヒギさんは、このNF-κBが核内に移動する「スイッチ」の役目をする「NEMO(ニモ)」というらせん状の細長いタンパク質の機能を、構造生物学的および生化学的手法を用いて解き明かしました。