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KEKキャラバン、奈良女子大学付属中等教育学校にて実施

2011年2月16日

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霧箱で見えたものを記録するサイエンス研究会の生徒さん

2月2日(水)、奈良女子大学付属中等教育学校でKEKキャラバンによる出前授業を行いました。同校は国立の六年制中高一貫校です。今回は理科・数学に興味を持つ生徒たちが活動するサイエンス研究会の1年生(中学1年生相当)9名を対象に、KEKの紹介と、小さな粒子を観察する装置「霧箱」の実習を行いました。霧箱は1927年、1936年、1948年の3つのノーベル物理学賞の受賞に関係があり、霧箱を使って重要な数々の発見がなされたので、「物理学の歴史を通じて最も独創的な装置」とも言われています。生徒たちは霧箱の中にランタンに使われるマントルの糸を差し入れ、マントルからでてくるα線によって作られるアルコールの雲を観察し、目では見ることができないα線の存在を確認しました。

サイエンス研究会の生徒たちは、宇宙を構成する目に見えない粒子を作る大きな加速器と、その見えない粒子を観測するための、霧箱が進化した測定装置の説明を受け、KEKが宇宙の成り立ちや物質・生命の仕組みを研究する研究所であることを学びました。

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授業のあとで感想を記入。

授業後の感想には「テレビにも加速器が使われているのがすごいと思った」とあり、中学生にもまだまだなじみがあるテレビのブラウン管が実はミニ加速器であったと知り、加速器が実は身近な装置であったことに驚いたようです。また、「加速器を使ってがんを見つけさせるというのは、面白いなと思った」と、医療でも加速器技術が応用されていることに興味を持ったようです。他にも、薬の設計で加速器が活躍していることを知り、「加速器をもっと発展させて色々な仕事に役立てればいいと思った」との感想もありました。

KEKでは学校や社会施設などで行われる授業のサポートとして、地方自治体、NPO等の団体が企画する講習会や勉強会などに講師を派遣しています。詳しくはKEKキャラバンをご覧ください。