放射光単色X線を用いた心臓診断に関する臨床応用



  1. 目的 心臓診断の新しい方法の確立

    造影剤を静脈から注入し、安全で簡便に冠動脈系(太いところ)の形態を診断する。

  2. 方法 日本独自の方法

    分光結晶の非対称反射を用いて、大きな照射野の単色X線を得て、造影剤(ヨウ素) のK吸収端上側のエネルギーで撮影し、心血管系の2次元動画像を得る。

    1. 造影剤を静脈から注入することにより重なってしまう肺動脈系、肺静脈系、 左心室などからの冠動脈系の分離診断が容易である。

    2. 心機能の総合評価が可能である。


  3. 撮影の適応

    • 自覚症状の出た人
    • 血管拡張手術をした人の術後検査
    • バイパス手術をした人の術後検査
    • スクリーニング検査

  4. 撮影システム


加速器   加速器エネルギー:5.0 GeV,蓄積電流:30−38mA
シャッター系 6ms 照射/枚、10枚/秒
光学系  Si(311)非対称、33-35keVで縦120mm×横75mm
撮影系  II(TOSHIBA RTP9211G)-TV(SONY XCC77), 2.0lp/mm