QCD(量子色力学)とは?
Quantum Chromodynamicsの略で、クォーク間の関係を色によって表現する理論です。
QCDの考え方
■バリオン・メソンを構成するクォーク
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バリオン(核子の仲間:陽子や中性子)は3つのクォークによってできていて、その大きさはおよそ1〜2fm(10-15m)です。 メソン(中間子)はクォークと反クォークの2つが結びついて出来ています。
量子色力学では、クォークは「色」の自由度をもっていて、相互作用はこの「色」に働きます。ここで「色」と呼んでいるのは、クォークに3つの状態があるので、これを光の三原色になぞらえて呼んでいるだけで、目に見える色とは関係ありません。
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■グルーオンとは?
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量子色力学で、相互作用を伝達する役割を果たすのが、グルーオンです。グルーオンは、クォーク同士の「色」の交換を行ないながら力を伝達しています
バリオンやメソンの中では、クォークがグルーオンによって「色」の交換をしながら互いに結び付けられています。グルーオンがちょうどバネのような役割を果たしているわけです。
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色の交換を行うグルーオン
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クォーク間の力は離れると強くなるので、クォークを単独で取り出すことはできません。このことをクォークの閉じ込めと呼んでいます。赤・緑・青の3つの「色」を持ったクォークが集まって3色が合わさった状態(白色)だけが安定に存在できます。これがバリオンです。
一方、メソンは、例えば赤と「反」赤のクォークと反クォークが結び付いて白色になっている状態です。
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