ブースターから取り出された陽子は、直径 108mの主リングでさらに加速されます。この写真は主リングの円形軌道の一部です。
軌道上には、陽子の軌道を曲げる偏向電磁石、陽子の発散を防ぐ集束用の四極電磁石など陽子の加速を進める上で重要な装置がいくつも並んでいます。
その一つ高周波加速装置は、そこを通過する陽子の速度に合わせて高周波電波の周波数を高めて加速します。
また、加速が進むと陽子は磁場の力で曲がりにくくなるので、電磁石の磁場を加速にあわせて強くし、陽子を一定の円形軌道に保っています。
こうして陽子は軌道をおよそ 50万回まわり、地球 4周の距離にあたる 15万kmを走り最高エネルギー(120億電子ボルト)に達します。
主リングで加速された陽子ビームは、実験の目的に応じて取り出され、ニュートリノ振動実験に使われたり、素粒子・原子核実験に使用されてきました。
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