KEK(高エネルギー加速器研究機構)では、高エネルギー加速器という巨大で精密な顕微鏡を用いて、宇宙の謎、物質の謎、生命の謎を解き明かす研究を行っています。“なにやら難しいことやっているところだなぁー”と思われるかもしれませんが、謎解きの第一歩は素朴な疑問から始まるのです。

例えば太陽を眺めて、なぜ太陽が顔を出すと暖かくなるのだろうか?その熱(エネルギー)はどこで、どのように作られるのだろう? これらの疑問の答えを求めて図書館に行くと、「太陽の中心部分では核融合反応が起きていて、それによってエネルギーが作り出される」という答えが返ってきます。しかし、本当に核融合反応が起こっているのだろうか? 誰が、どんな方法で確かめたのかな? 実は、これを検証するには、核融合反応に伴って作られるニュートリノ(太陽ニュートリノと呼ばれています)を地上で観測することによって可能になります。太陽ニュートリノの研究は、現在、まさに最前線の研究課題です。さらに、疑問を進めましょう。太陽は特別の天体ではなく宇宙のどこにでもある、星の1つであるらしい。とすれば、太陽を理解することは宇宙全体の理解につながるはずだ?このように身近な自然現象に対する素朴な疑問が、宇宙全体の理解にまで展開していきます。

KEKで研究をしている人達は、とにかく自然を十分観察し、自然に問いかけ、そこに潜む真理を探し出そうと努力しています。皆さんと同じように、サッカーボール(真理の)を夢中になって追いかけているのです。

最後にアルバート・アインシュタインの言葉をお贈りします:
世界一、考えることが好きになろう。知識は重い負担にならない――そう信じている人は、思い違いをしている。古くさいガラクタで一杯になった人は、滅多に新しいことを思いつけない。頭を空にしておく方がいい。知識のためには図書館がある。そこでなら、いつだって知識が君のために待ちかまえてくれるし、行くまでは口をつぐんでいてくれるのだから。


KEK機構長 鈴木 厚人



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